(「僕は綺麗な模様をしてるんですよ」とビーグル犬まろさんオス8歳)

 

 上の娘が今春に大学合格したので成人式の着物のことを考える余裕ができました。

 家族構成をどうやって知るものなのか、年頃の娘がいるとなると成人式の着物のレンタルとか買取とかの業者のダイレクトメールがもう2年前くらいか、随分前から届いていました。それをようやく封を開けて中を見る余裕ができたということなのです。

 地元には老舗の貸衣装と写真撮影のお店もあるので、妻は「子供に聞く前にまずは夫婦で基礎知識を」というわけか、昨日はまずそちらに夫婦で行きました。

 私の生まれ育ったところにある店で、随分と長い歴史を持つ店なので私としてはそこの店で娘たちが見て気に入ったものがあればそれでいいなと思うのです。家の近所と言うことで着付けも近所で済ましてとか、諸々が面倒くさくなさそうですし。そこで、レンタルとか、オーダーのレンタルとか、買取にした場合とか、記念写真についてだとか、色々と伺ってまいりました。なかなか便利なようにできています。

 

 近頃の着物の流行としては「くすみカラー」というもので、あまりはっきりとした色合いでなくて淡い灰色、鮮やかでないピンクなどのくすんだ色合いのものなのだそうです。「伝統的な」着物は私の印象だと、くすんだ色合いもあったような気がしたのですが、「近頃の」流行だそうなので、なんだか意外な気がしました。わざわざ「くすんだ」色合いが流行だというのは、近ごろの若い子たちが「あまり目立ちたくない」と思っているという説を聞いたことがありますが、それと矛盾していない気もします。

 ゴールデンウィーク中に妻が娘達を特設会場でやるような着物フェアに連れて行って気に入ったものがあれば...ということなのですが、昨日に近所のお店に行ってきたときに、段々妻の雲行きが怪しくなってきました。

 妻は自分の成人式のときは自分も親も勘違いしたせいで、「晴れ着を着て成人式に出席した」という経験がないのです。そこで、着物には並々ならぬ執着があって、「自分が着るんだったら」という目で見てしまうようなのです。「着物は正絹でなくてはいけない。着物は辻が花*が綺麗で良い。自分が着るなら辻が花」というわけで、昨日は流行りのくすみカラーのものも、他の色のも安いものも高いものも見て、辻が花も見たのですが、「やっぱり『辻が花』がいい」という気持ちに火がついてしまったようなのです。

*「辻が花」では多種多様な伝統的絞り染めが使われ絵画的表現が可能です。

 

 「『辻が花』がいい」は、妻は昔から、まだ子供ができる前に川口湖の方にある「久保田一竹美術館」に興味を持って夫婦で行ったくらいだから、もうずっと「辻が花」に魅入られているのです。

 

 そこで、鎌倉とか横浜とか近所の着物フェアみたいなのとは別に、辻が花の着物を作っている遠方、十日町とかに新幹線で行って、買取で少々値が張ろうが辻が花の着物を買いたい、娘たちは言いくるめてでも従わせて辻が花の着物を着せたい、とか思い始めているようなのです。不穏だ...娘たちもそれで同意すれば別にそれでも私は構わないのですが、また私もあらためて辻が花を見ると他のものより素敵だなとは思うのですが、さてどうなることか。妻が「子供たちが着ないのなら自分で着るから買う」とか言いそう。

 

参考:久保田一竹|久保田一竹美術館 ITCHIKU KUBOTA ART MUSEUM (itchiku-museum.com)