(「僕は永久就職です」とビーグル犬まろさんオス8歳)

 

 東京への一極集中を是正しようとかいう話がありますが、なんでそうなるのかというのを、ハローワークの求人をもとに検証してみました。今日は「ハローワークの日」といって、1947年の今日4月17日、「職業紹介所」が「公共職業安定所」に名称を改められたそうなのです。

 今回は、ハローワークインターネットサービスで求人を検索してみました。 

ハローワークインターネットサービス - 求人情報検索・一覧 (mhlw.go.jp)

 

 さて、検索の条件は

1.月給100万円以上(手当・残業代含む)

2.休日は土日祝日週休二日

3.フルタイム

これを都道府県ごとに検索したのが下に貼付した表です(2023年4月17日)。

 

 ただし、「月給100万円以上」は「最大限で」という意味のようなので、それ以下になることがあるようです。たとえば300,000-1,000,000円なら30万円と言う場合もあるということです。

 注意するべきなのは、ここで使ったのはハローワークのシステムだけなので、他の転職業者などの分(もっと給料が高い仕事のものとか)は全く入っていないということです。それゆえ、結果としてはかなり偏ったものになるとは思うのですが、たとえば都会と田舎の比較と言うところで言えば、そんな転職業者は都会の方が沢山ある訳で、大体の傾向はわかるかな、という感じでとらえます。

 また、ハローワークに登録する企業が全体を表しているわけでもまったくないので、世間で有名な大企業が入っている保証もありません。とはいえ、そんな大企業はやはり都会、特に東京が拠点なものなのです。

 

 まず、目立ったのが

1.やはり東京中心に、「月給最大で100万円以上だすかも」という求人がある、ということです。田舎県にはほぼ無いか全く無いかです。だから、地方から東京への集中が起きてしまう。求人だって少ないし給料だって安いとなると人はどうしても東京に行こうとしてしまうものなのかもしれません。本当は東京で暮らすとなるとそれなりにコストがかかるのではあるのですが。

 

 次に、目立つのが

2.求人はほぼ理系のものだけが「月給最大で100万円以上だすかも」であって、いわゆる「文系」はほぼありません。「手に職」といいますが、「手に技術」ですね。ガテン系のもあります。しかし全般には特にここでは土木関係やIT関係が多いようではあります。

 とはいえ、「月給最大で100万円以上だすかも」はあくまでも「出すかも」のようで、システムエンジニアが月給「18万~100万円」となると、なかなか幅がありすぎるのではないかと、実際に月収100万円で雇われる人がいるのかと思ってしまいます。

 

 その点、対照的なのが

3.医者の求人は最低限の月収が高い、ということです。最低でも月収75万円とか100万円とかで求人を出しているわけで、しかもそれが「田舎」な訳です。勉強のできる子たちの多くが医学部を目指す、歪んだ構造はここら辺のところからきているのだと思います。毎日、病人に向き合わなければいけない人生が、収入が高くとも私にはどうしても嫌だったので目指さなかったのですが、使命感を持って取り組んでいる人からすると天職でしょうし給料は良いし。

 

 さらに、都会と田舎と言うことで言えば

4.この求人の一部は同じ企業の「○○支部」のようなところの求人なので「全体の傾向」という風に全面的に信じてはいけないとは思うのですが、それでもその企業について調べるとやはり元々は「都会」の企業だったりするので、つまり都会の企業の求人は田舎でも給料が高い、そういうところに田舎と都会の格差が現れるのだろうと思うのです。

 

 海外では単純作業でも年収1500万円とか日本がいつから「安い日本」になったのだと嘆かわしい気がします。それで外国人に色々と土地も含めて買われたら国防上だってまずいだろうに、日本の「失われた30年」の大きさを今さらながらに思います。