(コーヒーの上に浮かぶコーヒーの滴)

 

 コーヒーを淹れる場合に、コーヒーメーカーのスイッチを何十秒かおきにつけたり消したりするのが、よりおいしいコーヒーを淹れるコツだと思います。

 

 しかし今日はそれ自体ではなくて、前から気になっている現象について書きます。

 

 コーヒーを淹れていると、日によっては写真のようにコーヒーの海の上にコーヒーの滴、直径3㎜くらいでしょうか、、、がまるでイクラの粒みたいになって浮かんで、、、ときには十個以上も浮かんでいるのを見ることがあります。そして何秒かたったら、下にあるコーヒーの海の中に同化してなくなります。

 「なんだろう?不思議だな」、で終わらせても良いようなものですが、気になったのでちょっと調べてみました。

 

 同じようなことを見つけて、Blogに書いたり、Yahooの知恵袋で質問したり答えたり、高校の自由研究でやってみたり、色々ありました。世の中、結構同じように疑問を持つ人たちもいるもので。

 諸説あり、で滴と本体の間に空気の層があって合体を妨げてる、表面張力が効いている、分子間力が効いている、静電気が効いている、、、

 

 まあそれで「結局分からないね」で終わりでも良いのですが、しかし現象は実は医学、化粧品、塗料、さらにはマイクロ流体チップにも使われうる、とかで「コーヒーの不思議」から急に世界が広がるわけで。

 

 下のリンク先を見ると、石鹸水を使った実験でメキシコの研究者Roberto Zenit, National Autonomous University of Mexicoが投稿したものですが、下に溜まっている水の振動が重要と言っています。

 Drops on Drops on Drops - YouTube

 Y.Couder, Physique Expérimentale, UFR de Physique, Université Parisによると、滴が液体表面に落ちたときに薄い空気の層ができて、それが滴と下の液体との合体を妨げる、そして表面に振動が起きてる間は空気層がなくならない、ということのようです。

 確かに、コーヒーの滴が上から落ちている間、下のコーヒーの水面はずっと揺れているようにも見えます。

 

 さらに、MITのMichela Geriはシリコンオイルの滴と下の同じ液体との間の温度差について研究しています(解説記事です)。

 How to float your coffee creamer | MIT News | Massachusetts Institute of Technology

(リンクの中に興味深い動画があります)

 温度差があるほど、滴と液体は直ぐには合体しないとのことだそうです。

 原論文を見ると、温度差には最低限必要とされる温度差があって、それより高い温度差では、滴が滴として生きている時間は温度差の三分の二乗に比例した時間、だそうです。

深いですね。

 こっちの方はコーヒーの現象とのつながりは、温度差が分からないので何とも言いようがないです。

 

 コーヒーの滴がいつまでも残ってるという話から、実は同じような現象が注目され、世界の一流大学でも研究が為されているし、その応用も重要だ期待されている、という話でした。世の中、面白くつながっているものですね。