(「僕は毎日ご主人様と暮らしていて、ご主人様が僕をお散歩に連れて行こうとしているのか、おやつやゴハンをくれようとしているのか、その兆候を見逃しません」と語るビーグル犬まろさんオス11歳)
京都の下鴨神社で、昨日、1月4日に「蹴鞠初め(けまりはじめ)」という行事がおこなわれたそうです。
蹴鞠と言うのは言わずと知れた平安貴族たちの遊びで、NHKの大河ドラマの「光る君へ」の中でも蹴鞠の場面が出てきました。サッカーのリフティングみたいにボールを下に落とさないようにして蹴り上げるものですが、リフティングは一人、蹴鞠は8人でやるのが違います。
(下鴨神社の糺の森に流れる小川)
ところで私は40何年か前は京都大学の学生として京都の下鴨の辺りに住んでいました。下鴨神社は今は日本の中の世界遺産の一つとして登録されていますが、毎日その中にある糺の森を通って大学に行ったものでした。当然、下鴨神社のお社のわきを通り抜けていくわけです。拝観料なんてありませんから単なる通学路。下鴨神社ではときどき千葉真一さんとか里見浩太朗さんとかの時代劇の撮影を目にしたりもしました。糺の森を抜けて北を見れば北山の山々がそびえ、冬に降雪があった日などに見ると、北山は凛としたたたずまいでそびえたっていました。通学途中では比叡山や大文字山を仰ぎ見て、大学のお隣には吉田神社、少し歩けば銀閣寺や哲学の道。下宿からは夕日の沈む西山の山々が。春には鴨川のほとりを逍遙し桜の見物。京の雅を思う存分楽しみました。少しバスに乗れば平安神宮も金閣寺も竜安寺も嵐山も仁和寺もまあまあ直ぐに着く。葵祭、祇園祭、時代祭は当然、見に行ったし、今思えば、首都圏生まれの学生にとっては随分と贅沢な住居のロケーションでした。
しかし、学生として住んでいると帰省の期間に行われる行事は見る機会がないものでした。
下鴨神社の「蹴鞠初め」はちょうど学校の講義や試験のない冬休み期間に行われてきたために、そんなものがあるのだということに気が付かなかったのです。蹴鞠初めは今から約1400年前に中国から伝わった球技で、一時伝統が途絶えていたけれども、昭和の時代に復活したそうなのです。「蹴鞠初め」といういう行事があったのか...
ただ、蹴鞠初めのニュースに触れて「ああ、そういえば...」と今さらながら思いあたることがありました。当時、大学から帰ってくると、ときどき神社特有の「ピラーッ」という雅楽の音が聞こえてきたりして「雅だねえ...」と思っていたりしていたのですが、そうした雅なものの一つに、蹴鞠の練習をしているのを何度も見かけたのがありました。私、あれはてっきり神社に属する神官の方々が暇だから「平安の昔から続く下鴨神社だしさあ...いっちょやっとく?」と遊びで余興でやっているんだと当時は勘違いしていたのでした。年中行事の一つの練習だなんて思いも及ばず。でも、今、報道によると伝統行事の練習として「蹴鞠(しゅうきく)保存会」のメンバーの方々が練習でやっていたのですね。失礼しました。
...ということで、さほど珍しくもなく昔よく目にしていたものが、「あ、あれが、あの...」と後で気が付くという典型的なものの一つが今回は「蹴鞠初め」だった、という話でした。

