episode 26.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オレ、、やっぱ、、どっか人として抜けてるわ」

 

「ん?なんで?」

 

「オレ、、、。

 向こうに飛ばされてしまった相葉くんのこと、、、。

 にのに言われるまで、あんまり考えたことなかった」

 

「えっ?」

 

「自分の置かれてる状況のことで、いっぱいいっぱいってのもあったけど。

 それでも、オレのせいで、、飛ばされたのに。

 何も考えないなんて、、、」

 

「っふふ、、あなたらしいよ」

 

「えっ?そう?」

 

「うん、こっちの相葉雅紀も、眼の前のことに一生懸命で、、、。

 一生懸命だから、誰かが助けたいって思うような人で。

 そんなところも、よく、、、似てる、、」

 

 

また、瞳に涙が浮かんできた。

 

 

「そっか、似てるか。

 とにかく、早く元に戻れるようにするから、、。

 今夜は、寝よう、、

 ね?ベッドに戻って」

 

「相葉さんは?

 いいよ、オレは。 

 相葉さんも、ソファじゃ寝られないよ。

 一緒に、、」

 

「、、、うん、、

 でも、、、じゃ、、先に戻ってて」

 

「うん、、分った。

 ちゃんとベッドで寝てよ」

 

「あぁ、、、おやすみ。にの」

 

ちょこちょこと寝室に歩いて行く後ろ姿を見送った。

 

 

 

はぁ、、

 

似てる、、か。

 

 

似てるって、、、。

何?

 

 

オレとこっちの相葉くんは、、どこが違って、どこが同じなの?

 

 

似てるってことは、違うってことだ。

同じじゃない。ってことだ。

 

 

 

帰りたい。って思う、、けど。

 

 

もし、、

 

もし、帰れなくても、それって、オレにとって。

 

 

何の不都合がある?

 

 

 

にのは、、、にのじゃないけど、にのだし。

 

 

このままでも、、いいんじゃない?

 

 

そしたら、、

 

オレは、、

 

にのと、、、恋人に、、

 

 

 

なれる?

 

 

 

オレの、、心に悪魔が囁く。

 

 

 

『このまま、こっちのにのをお前のモノにしちまえよ。

 そうすりゃ、お前の願い通りじゃないか?

 にのと、恋人になりたかったんだろ?

 自分のモノにしたかったんだろ?

 いいじゃないか。

 こっちでは、それが当たり前なんだ。

 ほら?

 あいつの顔を見てみろよ。

 キス、、したくないか?

 あの顔を、、お前が、歓びの顔にしてやりたくないか?』

 

 

そ、、そんなこと。

 

出来ないよ。

 

 

しちゃいけないよ。

 

 

『なんで?

 どうしてダメなんだ?

 もう、、、お前は元の世界に戻れないかもしれないんだ。

 そうすりゃ、向こうに行っちまったヤツもこっちへ帰れない。

 なら、何を遠慮する必要がある?

 誰に遠慮する必要がある?

 ないだろ?

 ふふふふ、、、あはははっ!』

 

 

やめろ!

やめてくれ!

 

そんなこと、、言わないでくれ、、。

 

 

 

『はははっ!

 なぁ~んだ。おまえ、、。

 もう、すでにそのつもりなんじゃないか!

 二宮和也は、、オレのモノ。

 なぁ?

 おまえ、そう、思ってるだろ?

 ふふふふふ、、、そうでなくちゃ!

 ほれ!楽しい未来が待ってるぞ』

 

 

 

やめろ、、、。

 

オレは、そんなこと、、。

 

 

思って、、、、、な、、い。

 

 

 

 

 

いつの間にか、ソファで眠ってしまっていたオレは、、

 

 

 

そんな悪夢に、

 


うなされていた。