〘Prologue〙





ふと、


気がつくと、



目の前で、ドラキュラが踊ってた。


その横では、フランケンと、、ミイラ男が、手を繋いで踊ってる。



ここは?



どこ?



オレは、どうしてここに?


ってか、



どうやって、、、ここに?



頭では、そう考えるものの、目の前の楽しそうな光景に、、目が離せない。



「何をしてるんだい?」



背後から声をかけられ振り向くと、


そこに居たのは、上半身が人間で下半身が馬?

なんだろ?


こんな絵を、どっかで見たことあるような、、


「キミは踊らないの?」


尚も話しかけてくるそいつの顔は、彫りが深くて、ニホンゴを話してることに違和感が半端ない。



「おい!そいつは見逃してやれ。

   ここに迷い込んで来たようだ」


「迷い、、込む?」


「なんだ、自覚ないのか?

   どう見てもオレたちとは違う種族だろが」


「、、、、、、、。」


「無意識で迷い込んできたってことは、お前、悩んでることがあるんだな?」



、、、、オレが?



何かに悩んでるって?



「なんだ、自分の悩みさえも分かってないのか?」


「、、、、、オレ、何か、、忘れてるような、、」


「それはな、忘れてるんじゃなくて、お前自身が忘れたかったことを必死で思い出さないようにしてるんだな」



忘れたかったこと、、



思い出さないように、、必死で、、していること?



「だからな、、、もう、それは忘れたままにしておけ。

   そしてな、その”忘れたこと”を、、もし、思い出したとしても、、それを、誰にも言うな。

   ましてや、本人に伝えるな」


「本人?

   誰のこと?」


「分からないなら、ままにしておけって、、

   いいか?

   もう一度言うぞ、ここのことは、誰にも言うな。

   目が覚めたあと、忘れてたら、思い出すんじゃないぞ」


ミイラ男が、一直線に続く道の彼方を指さして言った。



「さぁ、行け。

   元のお前の世界へ帰れ。

   そして、、、忘れるんだ」



ドラキュラに背中を押されて、歩き出した。



本当に、この道を行けば帰れるのか?



振り向いて聞こうとしたけど、



もう、そこには、先程まで居たドラキュラもミイラ男もフランケンも、、、居なかった。


あれほど賑やかだった音楽も、、、もう聞こえない。



仕方なく、とぼとぼと歩きだしたオレは、




「あっ、、、ケンタウロス、、だ」



オレに、忘れろと言ったあの生き物の名前だけを



不意に



思い出したのだった。