。。。3 SHO
オレの、、、恋人は、、、めちゃ綺麗だ。
横顔なんて、彫刻のようで、何度見ても驚く。
何度も何度も、、、新鮮に、、驚くんだ。
「翔さん、何見てんの?」
「ん?おまえの横顔」
「、、、、なんで?」
「綺麗だなぁ、、って思って」
「、、、、、、、、。」
「なんだよ?黙るなよ」
「そんなこと言われて、、オレ、なんて返事すりゃいいのよ?」
「ありがとう。とか。
当然でしょ?とか?」
「どっちも、、言えねぇわ」
「くはっ、、可愛いなぁ、、オレの潤は」
「、、、、、、。
それも、、なんて返事が正解なの?」
「ん~~~?
知ってる。とか?」
「やっぱ、言えねぇ、、」
「あはははっは」
何でもない会話が嬉しい。
ここまでの遠回りを考えると、正直、雅紀には悪いことをしたと思ってる。
でも、、
オレが、雅紀のことも好きだったってのは、、、やっぱり、本当のことで。
潤のことを愛おしく思ってたのに雅紀に逃げていた。
「翔さん、まぁから連絡来たよ。
大野さんのお祝いをしようよ。って」
「あぁ、そうだな。
大野さんもあっちへ行ってから、写真がコロッと変わったけど、今回賞をもらった写真を見ると、納得の出来だもんな」
「だよねぇ、、、。
あの当時は、随分とこの業界も大野さんを引き留めたけど、今回の賞で分ってもらえたんじゃない?
本当に、あの人が撮りたいのは、こういう写真だってこと」
「今じゃ、自然界の写真を撮らせたら右に出る者はいない。って言われてるもんなぁ。
あの写真も、雅紀の恋人のとこの、ねこだろ?」
「うん、そうみたい。
可愛いよねぇ、、、。
うちのねこには敵わないけどさ」
「ふふふ、、、おまえ、溺愛してるもんな」
「だって、事実でしょ?
うちの子が一番可愛い。
な?ルナ?」
潤がそう言って抱き上げたのは、漆黒の毛並みをした一匹のメス猫だ。
”にゃぁ~~~”
「ほら?ルナもそうだって言ってる」
「潤は、ルナの言ってることが分るんだ?」
「そりゃ、うちの子だもんねぇ?分るよねぇ?」
ルナは、2歳のメス猫。
この仔は、、、。
雅紀の恋人。二宮くんちの飼いねこの子どもだ。
二宮くんちのねこがお父さんで、あの辺いったいのボスらしい。
そして、そいつの奥さん?にあたるメス猫が産んだのが、うちの潤が溺愛しているルナ。
丁度、雅紀があの街に引っ越したころに生まれたらしくて、貰い手を探してた。
その話しを聞いた潤が、、、いても立っても居られないくらいに、部屋をうろうろして、、。
やがて、決心したように、自分が飼い主になると申し出た。
それまでの潤は、動物を愛し、動物に敬遠されると言っても過言じゃなかったから、オレは随分心配したんだけど。
何故か、このルナは、会ったその瞬間から、潤に懐いた。
「翔さん!この子!この子にする!」
興奮して子ネコを抱き上げる潤に、オレは驚いたけど、近くにいた雅紀と二宮くんは、安心したように笑ってた。
それに、ルナの親である父猫も母猫も、自分の子を頼みます。とでも言うように、潤にすり寄って甘えていた。
そんな経緯で、うちに貰われてきたねこは、潤の度重なる熟考の末、『ルナ』と命名されて、、現在に至る。
「ルナ、おまえも久しぶりにお母さんに会いたいだろ?
一緒に大野さんのお祝い会に行こうな」
ゴロゴロと喉を鳴らしているルナに話しかける潤は、、、。
身に何もまとっていない姿を、、月光にさらしていて、、。
「潤、、、おまえの方が、、ルナのようだ。
月の女神、、、ルナ。
オレの、、ルナ、、」
オレは、、オレのルナの手を引くと。
また、、ベッドに、、、
その、、身体を
沈めたのだった。