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「何にしろ、良かったよ。安心した。

 まぁちゃんが、にのにからかわれてるんじゃないって分ったし」

 

「だから、オレたちは相思相愛なんだってば!」

 

「うん、、ほんと安心したわ」

 

 

おーちゃんが、、また、笑った。

 

ふにゃんとした笑い顔のまま、和也を見てる。

 

 

その見られてる方の和也は、まだ、何故か、、おーちゃんを軽く睨んでる。

 

 

「ふふ、、オレ、睨まれてる」

 

「かず?、、、」

 

「大野さん、、、相葉さんのこと、まぁちゃんって呼ぶんですね」

 

「あぁ、そうだな。

 だって、まぁちゃんは、前からまぁちゃんだもんな」

 

「、、、、、、、、。」

 

「にのも、まぁちゃんって呼べばいいじゃん。

 な?まぁちゃん?」

 

「ん~~~~。

 まぁちゃんって呼ばれるとおーちゃんに呼ばれてるみたいだから、違うのがいいけど、、。

 でも、それも急がなくていいんだよ。

 自然に、、呼びたいように呼んでくれれば、それでいいの」

 

「相葉さん。ごめん。

 あの、、、。

 大野さんは、どうして、この街に?

 何か目的があるんですか?」

 

「目的?

 そんなもんないな。

 そうだ!目的はないけど、目標はある」

 

「目標って?おーちゃん?」

 

「のんびりすること。

 自分のしたい仕事を選んですること。

 心の思うままに、、な」

 

「くふふ、、、。やっぱ、おーちゃんらしいわ」

 

「でも、、、なんで、、こんな何もない街に。

 何の変哲も無いどこにでもあるような街じゃないですか?」

 

「そんなことないぞ。

 ここはいいところだ。

 今日、この辺を散歩して回ったんだ。

 旨そうなコロッケ見つけたし、釣具屋もあったし、、、。

 まぁちゃんもにのも居るし」

 

「オレ?オレも、、ですか?」

 

「うん、にのも、、だよ。

 にの、、まぁちゃんのこと、よろしくな。

 まぁちゃんは、良いやつだ。

 オレが保証する」

 

「おーちゃん、、、」

 

「オレで、、いいんでしょうか?」

 

「バカ言ってんじゃないよ。

 まぁちゃんは、にのがいいって言ってるんだよ。

 にのは?

 まぁちゃんじゃイヤなの?」

 

「そんなこと、、、。

 さっきも言ったけど、、オレだって、遊びじゃないんです。

 真剣に、、考えて、、考えて、、。

 考えた末に、、相葉さんと、、」

 

「なら、モウマンタイ。

 なんの問題もないじゃんねぇ。

 ほれっ、飲もうや。

 今夜は、オレが奢っちゃる」

 

「ほんと!?やった!

 かず、おーちゃんの奢りだって。

 飲も飲も!

 おばちゃ~~ん!ビールくださぁ~~い!」

 

「はいよ!2つでいいかい?」

 

「オレもだ!もう一杯頼むわ」

 

「はぁ~~い。

 生3っつ!」

 

 

 

店内に響くおばちゃんの声と。

 

 

何か、吹っ切れたような和也の顔と。

 

 

旨そうにジョッキに残ったビールを飲み干すおーちゃんと。

 

 

 

 

そのどれもに、あったかい眼を向ける雅紀が。

 

 

 

オレの、、、眼に映っていた。