IF。。。44
(フィクションなので、文中の表現や言葉は、完璧に妄想です。ご承知おきくださいませ)
自分が降りた駅にたどり着いて、また、電車に乗った。
きょろきょろと周りを見渡しても、”よかった” 付けてくるヤツはいないみたい。
今度は、無事にいつもの駅で降りて、アパートに帰り着いた。
”はぁ~~~”
参ったなぁ、、。
明日、、も、、あの野郎は、こっちにいるんかなぁ、、。
しばらくは、櫻井さんの言うとおり、気をつけなくちゃ。。
コンビニにも寄れなかったんで、買い置きのカップラーメンを食べて、シャワーを浴びると、少し落ち着いた。
ベッドに寝転んで、この頃、ようやく見慣れてきた天井を見上げると、耳に甦るのは、、、。
今日、、エレベーターホールで聞いた、、声だ。
何度も何度も、、頭の中でリフレインすれば、、、何を想いだしたのか、、。
オレの身体は、熱くなる。
この5年余り、誰とも付き合ってないし、誰ともそういうこともしていない。
手っ取り早く、そうしいう店にでも行けばいいのかもしれないけど、それは、、何となく、自分の欲望に負けたような気がしてイヤだった。
結局、オレは、、まれに見る頑固なんだろうな。
「ふふ、、あいつが、オレと同じように、禁欲生活送ってるなんて、これっぽっちも思ってないけどな。
ってか、、もう、、誰かと、、結婚、、してるかも、、しれない」
なるべく、わざと考えないようにしてたけど、多分、、その可能性が一番高い。
”意地張ってないで、、、”
ストーカー野郎の言ったセリフが浮かんだけど、あながち間違いではないのかもしれないな。
意地になってるのかなぁ、、。
先に進むために、突き止めようと、、ほんのさっきまで思ってたのに、何かがあるたびに、
ゆらゆら揺れる。
脆い、、自分の心。
弱っちぃなぁ、オレ。
たったひとりの人に、こんなにも寄りかかってる。
うだうだ考えてる間に、、寝入ってしまったオレは、あいつの夢を見た。
オレの前を歩くあいつの背中を、オレは必死で追いかけてるのに、
足が、、空回りしてるように、、
あいつとの距離は、少しずつ確実に離れてて、追いつけない。
そして、自分のうなされた声で目が覚めるまで、
最後まで、あいつが
振り向くことは、なかったんだ。