5年前のお話。
愛犬レオを亡くしたその夜は何とかご飯は食べたけれど、食べれたり食べられなくなったりを繰り返すようになっていきました。
純粋なペットロスからでした。食べられないのも眠れないのも仕方ないやと受け止めていたと思います。
レオが死んで30日目…その頃はまだまだ眠れない夜を繰り返して、何日かに一晩ようやく眠れる状態でした。食欲は一進一退ながらも、後の状態からすれば、まだまだ食べてた方でした。悲しみは薄紙一枚剥がすように癒えていってたのかもしれませんが、まだまだ毎日、1日何度も何度も泣いていました。
その夜は早くから眠れました。そして、夢を見ました。
家の中にレオがいたんです。目はガラスのような作り物感だったけれど、紛れもないレオでした。誇らしそうなスフィンクス座りで、首をまっすぐ持ち上げて、私を見てくれていました。そしてその奥に、ドアの前に、もう一匹の愛犬マロが無表情で座っていました。
駆け寄るでもなく、今までのようにレオに近寄って、
「レオちゃん、ここにいたの、いい子、いい子」
そう言って、頭を撫でて、抱っこしました。抱っこしてすぐに、
(起きてごらん、起きたら現実になってるよ)
そんな自分の声で目が覚めました。
夢の中では何もかも、色や家具壁天井にも自分の声にも正気がなかったのを今でもはっきり覚えています。
ガバッと起き上がって、レオのいたところで手を合わせました(そしてそんな神秘体験のすぐ後にトイレに行く飼い主)。
起きた直後からレオの爪の感触が右の鎖骨にあって、どこかの空間であの子に会えた喜びや、やはりもういない悲しみもありました。
だけどその日はただただありがたくて、久しぶりに軽い気持ちで過ごせました。もうこのままペットロスも癒えていくんだろうと感じるほどに。
だけど数日経ってから、右鎖骨のレオの爪の感触から、違和感が現れ始めたのです。
その違和感はだんだん血を吹き始め、その血を狙って足の長い虫達が胃から肺から鳩尾から湧き始める…そんなイメージ。
ゾワゾワゾワゾワゾワゾワゾワゾワ…
何もできない。
せっかくレオが夢に出てきてくれたのに、なんなんだこれは…
そんな自分に罪悪感を持ち、その罪悪感が症状を加速させたんだと振り返ります。
どんどん疲れを感じなくなって、食べられなくなって、何もできなくなっていって、歩き回るようになりました。
レオが亡くなって49日を過ぎた頃には、
ショックは癒えてきてるのに何でこんななんだろう…
と、体と心のアンバランスに焦りを感じていました。