メタルコアのバンドで一番に思い付くバンドと言われたらいったいどのバンドを挙げるだろうか?

数多く活躍するメタルコア勢のバンドに於いて俺だったら間違いなくCalibanを挙げる。理由は、ドイツを代表するミリタリーメタルコアバンドとして間違いなくキャリアも知名度も他のメタルコアバンドの追随を許すことなく君臨する、メタルコアバンドの重鎮として、やはりCalibanしか考えられないと思うからだ。今なお勢いは衰える事はない彼等が現在日本に於いては不本意な扱いを受けている。不本意というのは、Heaven Shall BurnやMaroonは国内盤がリリースされたにも拘わらず、Calibanは見送られた。いや…今挙げたバンドを悪く言うつもりなど全くないが、7作目「Say Hello To Tragedy」にてついにCalibanの作品の扱いがこれ程酷いものになるとは全く予想だにしていなかったと同時に、驚きと失望を抱かずにはいられない。Heaven Shall BurnやMaroonよりもCalibanのほうが国内盤デビューしたのが一番早かったし、知名度にセールス、ファンの数もHeaven Shall BurnやMaroonより多いはず。なのにCalibanは国内では全く見向きもされないバンドなのだろうか?Heaven Shall BurnやMaroonに比べてセールスも悪けりゃ知名度も下なのだろうか?非常に理解に苦しむ出来事にこれは非常に如何なものかと理解できない状況に何度も首を傾げる。

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カメラ7th「Say Hello To Tragedy」


ただし…このような状況になった理由を挙げるとすれば見当たらないわけではない。まさか……



Calibanのメタルコア勢としての知名度が高い理由は、過去の作品のクオリティの高さを見てみればわかる。初期のニュースクール/ハードコアの荒々しさや攻撃的なサウンドにより早い時期から認知度を高め、ニュースクール路線から一転メタル要素を多く取り込み、更にメロデス要素をかなり色濃くし、所属のRoadrunnerの看板バンドとしてさらに進化を遂げた。5th「The Undying Darkness」が一番メロディを意識した作品であり、Calibanの作品としては一番聴きやすいが、決して弱くなった訳ではない。メタルコアバンドとして一番の肝であるブレイクダウンパートはやはり強烈だし、今までに見られなかった疾走しながらメロディアスなパートへと展開し、盛り上がった所に突然ブレイクダウンパートに雪崩込んで落とし込ませる…メロディアスな展開とハードコアな要素が今までになく強烈である。ブレイクダウンパートはメタルコアバンドにとって非常に重要であり、メタルコアバンドの生命線と言える。そのブレイクダウンパートを最も格好良く聴かせるバンドこそCalibanなのだ。それは6th「The Awakening」、最新作である7th「Say Hello To Tragedy」でも同じだ。

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カメラ5th「The Undying Darkness」

さて、先ほど触れた「このような状況になった理由」とは何なのか?それは認めたくはないが、思い当たる理由。それは前作「The Awakening」にあると思われる。この作品はある意味問題作と言えるかもしれない。「The Awakening」にどんな問題が存在するのか?俺が思うに、非常にストレート過ぎるあまり内容が淡白すぎる、そして印象に残る点が少ない、と言う点に尽きるだろう。

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カメラ「The Awakening」

メロディアスな要素が売りだった「The Undying Darkness」から、とにかくストレートなデスラッシュナンバーに拘った印象が強い「The Awakening」。ストレートな作風は、潔さを感じるものの、あまりに印象に残る点が少ないように思える。これは実験的な作品なのか?4th「The Opposite From Within」~5th「The Undying Darkness」の路線、いわばメタル色にメタルコアの要素がバランスよく配置された作風が好きだった俺としてはあまりに6th「The Awakening」に驚きを隠せなかった。原点回帰?そう捉えられなくもない。しかしこのメタル色を排除しなければほとんど印象には残らないだろう。ジャケットの白さもどこか印象の薄さに拍車をかける気がしてならない…。どこか煮え切らない内容の印象がCaliban熱を冷ましてしまったような気がする。そしてレーベルがRoadrunnerからCentury Mediaへの移籍。7thのリリース。だが…国内盤は見送られる。

はっきりいうと、7th「Say Hello To Tragedy」は6th「The Awakening」の延長上にあり、聴き始めは少しだけがっかりもした。今日の印象はやはり薄い。Calibanに対して情熱が注げないかもしれない…

しかし、聴きこんでみるとそう悪くはないない。印象に残る曲が今作には多く盛り込まれている。その理由はメロディが「The Awakening」よりも多く取り込まれているからだ。しかもブレイクダウンパートもそれなりに使われており、Caliban節ともいえるCaliban特有の曲の展開も今作では炸裂している。あくまで7th「Say Hello To Tragedy」は6th「The Awakening」の路線をそれほどいじることはなく製作されているし、プロダクションやアルバムの雰囲気などは前作にかなり近いが、新たに違うことをやろうと言うアイデアがアルバムの中に詰めこまれている。ストレートさを前面に押し出していた「The Awakening」よりは曲の構成が前作よりも練られていて、聴き応えも「Say Hello To Tragedy」のほうが上だと思う。まだ「The Undying Darkness」寄りの作風よりは印象は薄いが次の作品に期待してもいい要素がある。

今後も「Say Hello To Tragedy」の国内盤リリースは期待できないだろうが、また「The Undying Darkness」のようなメロディが潤沢な作品を期待したいところだ。
色々と買いこんではいる音楽。
どこまでも激しくて五臓六腑に染み渡る音楽(酒みたいな表現で当て嵌まるか分からんけど)、つまりドスドスと体に食い込んでくるようなサウンドに満ちた音楽に飢えてるわけで。最近はそこそこいいなって思えるものが多かったけど、それなりにって感じで、おお!って思わせるサウンドにはなかなか出会えなかった気がする。

なんていうか・・・追い込まれる感覚?聴いていて逃げ場が無いほどに緊張感に満ちているサウンド。それはとにかく邪悪な印象を受けるサウンドであって生易しくも軽い気持ちで聴く事ができないような感じ?上手くは言えないんだけど、とにかく緊張感が張り詰めているような。俺たちは本気でお前を殺ろうとしてるんだぜ?と殺るか殺られるか見たいな、聴いているこっちも覚悟を決めて作り手のフィールドに向かい合うような感じ。

デスメタルって言うものに向かい合うときはなんていうか本気で向かい合わなきゃだめな気がする。生半可な感覚では聴けない音楽だと思います。だからどこかからだが疼くっつーか、血が騒ぐっていう感じなんですよ。 こういう激しい音楽、どこまでも激しい音楽って言うのは聴いている人を凶暴化させるかって言うと、俺にとってはそうではなく、一種の沈静剤みたいなもんで、ひどくストレスが溜まっている時の心の歯止めを利かせてくれる薬みたいなもんなんですね。激しさが極まっている音楽ほどその効果は絶大なものになる。
これは相当なおかしい発言になるかもしれないけど、俺は今まで音楽が心の支えとしていつも傍にいてくれた存在なんだけど、はっきり言ってデスメタルに俺は救われて来たと思ってる。バラード?ポップス?そんな音楽が俺にとって支えになるとか馬鹿げてるわけで。

音楽は基本的に否定はしない。いい物はいい。でもどれだけいいものでも、必要の無いものであるなら、どれもゴミ以外の何者でもない。そういう意味では、俺は結構さばさばと切り捨てる態度がハッキリしていると思う。でもデスメタルは切り捨てる事なんて、聞き始めた頃から十数年そのスタンスは変わる事はなかった。こういうのもなんだが、この手のジャンルの音楽は自分ではいいとは思っても、誰かに勧めるようなことはしない。好きなものは共有したい気持ちって俺の中にあるのに、それをどこか許さない自分がいる。まあ受け入れがたい音楽である事が最大の理由であることが当然といえば当然なのだが。

とまああれこれ話をしてきたけど、つまり何が言いたいかっていうと・・・

All Shall Perishの3作目、「Awaken The Dreamers」の出来にぶっ飛んじゃってるわけです。

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カメラ「Awaken The Dreamers」

このバンド、デスコアっつってメタルコアの要素にデスメタルのブルタリティな要素を色濃く反映させた作風が身上のバンドなんですけど、そのブルタリティが今までと相変わらずといった感じで過去の作品に負けじと今作にもきちんと反映はされているんだけど、特筆すべき点は、今まで以上にギターの泣きが凄まじい点。ギターソロは当然泣きまくってはいるんだけど、泣きのギターは一部で披露されるのではなく、曲全般的に泣きまくっている。

最近ではAfter The BurialやEmbrace The Endなどがもう常識の範囲を超えてしまっているくらいに狂ったようなギターのテクニックを披露しっぱなしの作品を最新作として提示したばかりだけど、All Shall Perishも前述したバンドに負けず劣らずといった感じで、本当に凄まじい。テクニックに関してはこういったアンダーグラウンドの世界にごろごろしているわけで、本当に世界にはとんでもないテクニックやアイデアを持ったバンドがごろごろしている。そういうバンドこそ俺が刺激を受ける存在であり、デスメタルと言うジャンルから多少外れた派生系のバンドであっても目が離せないと思っているわけです。