【塾員クロスロード】 宮本覚道:真剣な姿を子どもたちに | ねぇ、マロン!

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おーい、天国にいる愛犬マロン!聞いてよ。
今日、こんなことがあったよ。
今も、うつ病と闘っているから見守ってね。
私がどんな人生を送ったか、伊知郎、紀理子、優理子が、いつか見てくれる良いな。

曽田歩美様に頼んでマロンの絵を描いていただきました。

【塾員クロスロード】宮本覚道:真剣な姿を子どもたちに

三田評論ONLINEより

  • 宮本 覚道(みやもと かくどう)

    曹洞宗龍泰寺住職、学校法人祥雲学園
    あかつき幼稚園理事長兼園長・2001経

岐阜県関市にあります曹洞宗龍泰寺の住職をしております。境内にはあかつき幼稚園があり、そこの園長もしております。趣味でパワーリフティングにも取り組んでおります。

園長になりたての頃、私はしきりに夢を持つことの大切さを園児たちに説いていました。しかし、ある園児から「夢って本当に叶うの?」と聞かれた時に、「叶うんだよ」と自信を持って答えられない自分がいました。その時に、私は「借り物の言葉」で園児に向き合っていると気づかされました。借り物ではなく、自分の血の通った言葉を語りかけるには、自分自身が夢を持ち叶える努力をしなくてはならない。そうして始めたのがパワーリフティングです。

2009年頃から始め、園児たちに「世界一の力持ちになる」という夢を語りながら毎日地道に練習に励み、アジア一になることができました。今も世界一を目指して日々励めているのは、「夢に向かって頑張ることって、楽しそう」と園児たちに感じてもらいたいとの想いからです。

私は禅宗の僧侶なので禅の観点から言うと、何事も真剣に取り組むことで心が調うというのは、遊びも仕事も禅の修行も、同じです。

禅では、坐禅だけでなく、食事や掃除、日々しなければならない目の前のことに対して集中することを大切にしています。好きなことも、嫌なことも、真剣に取り組むことで、やりきったあとに心がスッキリするものです。

もちろん、嫌なことよりも好きなことの方が、真剣になりやすいと思います。ですから、まずは、大人も子どもも、「したい!」と思ったことに挑戦してもらいたいです。なぜなら、自分の中から湧き上がる想いに対して素直に生きていくことは、自己肯定そのものだからです。

そうは言っても、頑張っても上手くいかないこともあるでしょう。でも大丈夫です。上手くいかない時は周りに頼ってもいいし、新しい夢に挑戦し直してもいいのです。大切なのは、夢に向かって真剣に取り組むことそのもの。その瞬間、私たちは輝いているし、その時間を楽しく感じているはずです。

まずは私たち大人から、したいことやしなければならないことに真剣に取り組み、それを存分に楽しみましょう。そして、その姿を子どもたちに見せていくことが、何よりの教育ではないでしょうか。

 

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。