「終末時計」残り90秒、2年連続で過去最短 新たな核開発競争を懸念 | ねぇ、マロン!

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BBC NEWS JAPAN より

「終末時計」残り90秒、2年連続で過去最短 新たな核開発競争を懸念

ジェイン・コービン、BBCニュース

終末時計のイメージ図

人類滅亡までの残り時間を象徴的に示す「終末時計」の残り時間が23日、2年連続で過去最短の「90秒」となった。

この時計は、米科学誌「原子力科学者会報(BAS)」が毎年発表しているもの。真夜中の零時を人類滅亡の時とし、世界がそれにどれだけ近づいているか示している。

2007年以降は、人工知能(AI)や気候変動、核戦争といった人為的なリスクも考慮に入れられている。

今年の発表では、新たな核開発競争やウクライナでの戦争、気候変動といった要因が挙げられたが、さらに時計が進むことはなかった。

BASは、中国やロシア、アメリカがいずれも「核兵器の拡大や近代化」のために巨額の資金を費やしており、それが「常に存在する誤りや誤算による核戦争の危険性」に拍車をかけていると述べた。

ウクライナでの戦争も「常に存在する核エスカレーションの危険性」を生み出しているとした。

また、気候変動に対する行動の欠如や、新興の生物学的技術やAIツールの「悪用」に関するリスクも挙げた。

終末時計の推移を示した図

終末時計は1947年、核戦争の危険性を警告する目的で、米マンハッタン計画で最初の原爆開発に参加した米科学者たちが創設した。

この科学者らは第2次世界大戦末期の1945年、広島と長崎に投下された原爆の悲惨な影響を目の当たりにしたことから、人々に警告を発し、核兵器が2度と使用されないよう世界の指導者たちに圧力をかけようとした。

1947年に真夜中7分前を指していた終末時計の針は、これまでに25回動かされている。1991年に冷戦が終結すると、時計は17分前まで巻き戻された。

BASのレイチェル・ブロンソン社長兼最高経営責任者(CEO)はBBCに対し、「イギリスを含むすべての主要国は、核兵器が非常に長い間使用可能であるかのように、核兵器庫に投資している。とても危険な時期であり(中略)指導者らは責任ある行動をとっていない」と指摘した。

終末時計に長年携わっているロシアの核兵器専門家パヴェル・ポドウィグ氏も、ロシアのウラジミール・プーチン大統領がウクライナ侵攻後に、戦略的核抑止部隊を警戒態勢に入らせたことにショックを受けたと語った。

この行動を世界は脅威とみて対応したものの、プーチン氏は計算のうえで行動したとみられている。

「核兵器とはまさにこのためのもの、ある程度の行動の自由を確実にするものだ」と、ポドウィグ氏は述べた。

「ロシアの大統領は、こうした行動をとることで西側諸国がウクライナに介入するのを阻止できると思っていたし、これは正しい計算だった。(核の)抑止力とはこのように作用するものだ」

各国の推定核弾頭保有数(2023年)

数十年にわたる軍縮協定にもかかわらず、世界にはいまだ約1万3000発の核弾頭が存在し、その90%をロシアとアメリカが保有している。両国のほかに核保有を宣言している国は、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮の6カ国。イスラエルも核兵器を持っていると広く信じられているが、認めたことはない。現代の核兵器のほとんどは、広島と長崎を破壊したものより何倍も強力だ。

イギリスは2021年、核弾頭の保有上限を225基から260基に増やしている。ウクライナでの戦争が始まって以来、ロシアの高官らは、核兵器をイギリスに対して使う可能性を示唆する発言をしている。

一方、過去10年における核戦争の恐怖は、新たに核保有国に加わった北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記によっても、あおられてきた。金総書記は、アメリカに届く核ミサイルの発射実験を行っていると吹聴している。

BOSの元メンバーで終末時計顧問のシグ・ヘッカー氏は、科学調査プログラムの一環として北朝鮮の核施設を7回訪問しており、同国について今では50から60の核弾頭を保有している可能性があると推定している。

「核兵器、核テロ、核拡散……。すべてが間違った方向に進んでいる」と、ヘッカー氏は述べた。

(英語記事 Doomsday Clock stays at 90 seconds to midnight

 

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