差別はサッカーや社会の一部ではないと若い世代に理解してもらうため、学校教育から始める必要があると主張した。

セリエAでの人種差別行為

イタリア・セリエAでは20日、ACミランのゴールキーパーで、フランス代表でもあるマイク・メニャン選手(28)が、対戦相手のウディネーゼのホームスタジアムの一部から、人種差別的な「サルの鳴きまね」が聞こえたと報告。

これを受け、チームメートらがピッチを離れ、試合は一時中断された。その後、選手らは戻り、ミランが3-2で勝利した。

メニャン選手はACミランのテレビメディアで、「サッカー界であってはならないことだが、残念なことに長年、こうしたことが繰り返されている」などと訴えた。

「カメラを設置し、制裁を科すなど、状況を変えるには何か手を打たなくてはならない」

「全員で対応しなくてはならない。何かしないと、こんな形でプレーなどできない」

ミラノを本拠地とするACミランと、ライバルのインテルはともに、メニャン選手への支持を表明。セリエAも「あらゆる人種差別を非難する」と声明を出した。

イギリスでも

一方、英イングランド・プレミアリーグ直下のディビジョンのEFLチャンピオンシップでも20日、コヴェントリーのケイシー・パーマー選手が、対戦したシェフィールド・ウェンズデイのホーム(ヒルズバラ・スタジアム)で同様の罵声を浴びたとされた。

マッチオフィシャルは両チームの監督と協議。その間、試合は数分間中断された。最終的にはコヴェントリーが2-1で勝利した。

現地のサウス・ヨークシャー警察は捜査に着手。「両クラブやウェスト・ミッドランズ警察と協力して状況を把握し、関係者を特定する」とした。

ウェンズデイは、観客席にいた人が人種差別的なジェスチャーをしたのを確認したと説明。「罪を犯したとされた」人は「可能な限り厳しい制裁」を受けるだろうとした。

一方、差別を訴えたパーマー選手は、サッカーの状況が変わるかどうかについて、あまり期待していないと話した。同時に、「人種差別はみっともないことだ。(中略)サッカー界はもちろん、世界のどこにも居場所はない」とXに投稿した

「私は黒人で、誇りをもっている。自分の子ども3人もそのように育てている。正直言って、どんなに努力しても状況は変わらないように感じる」

「サルの鳴き声をまねる数人のファンが、ファン全体を定義するわけではない。私に向けられる愛と支援をありがたく思っている」

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差別に反対する団体「キック・イット・アウト」も、パーマー選手とメニャン選手を支持している。

「問題行動をした人を罰するのは当局とクラブだが、クラブが問題発生を防げないなら、クラブも結果責任を負うべきだ」

「FIFAが求めているように、より強力で意味のある処罰を歓迎する」

「この問題を解決するのは選手たちではない。本来そうあってはほしくないが、選手たちはすでに極度の苦痛と精神的外傷を受けながら、勇気を示している。言葉ではなく、行動によるサポートが必要だ」

(英語記事 Forfeit games when fans are racist - Fifa boss