BBC NEWS JAPAN より
中国、台湾問題では「決して妥協しない」 再開した防衛協議でアメリカに
ケリー・アン、BBCニュース
![13日に総統選が投開票される台湾](https://ichef.bbci.co.uk/news/640/cpsprodpb/1669/production/_132273750_841927e0-2296-4508-bac3-6f21347cf208.jpg)
画像提供,EPA
台湾では13日に総統選が投開票される。それを目前に、中国とアメリカの国防当局の協議が再開された
中国とアメリカの国防当局が、2021年から途絶えていた対話を再開し、9日まで2日間にわたって米首都ワシントンで高官らが協議した。そのなかで中国は、台湾問題で「決して妥協しない」とアメリカに伝えた。
両国の協議は、台湾総統選を数日後に控えたタイミングで開かれた。13日に投開票される総統選は、台湾が中国に接近するのか、あるいは中国から離れるのかを占う重要な選挙となる。
中国は台湾を自国の領土だと主張している。一方で台湾は、中国本土とは別だとしている。
中国国防省はこの日の協議について、「中国は平等と尊重を基本に、健全で安定した軍事対軍事の関係をアメリカと発展させる意思を表明した」とする声明を発表。
そのなかで、アメリカは中国の懸念を「真剣に」受け止める必要があると主張した。
また、中国は「台湾問題でいかなる譲歩も妥協もせず、アメリカ側に対し『一つの中国』の原則とそれに関連する公約を守り、台湾への武装をやめ、台湾独立を支援しないよう要求する」と付け加えた。
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台湾は、アジアでの中国とアメリカの覇権争いで大きな火種となっている。
2022年8月にナンシー・ペロシ米下院議長(当時)が台湾を訪問すると、中国は抗議としてアメリカとの協議を拒否した。
昨年11月に中国の習近平国家主席とアメリカのジョー・バイデン大統領が会談した際に、両国の国防当局の協議再開で合意していた。
中国の衛星打ち上げは「選挙妨害ではない」
台湾総統府は9日夜、南部の上空に同日午後に中国の人工衛星が打ち上げられたことについて、「政治的な企ては否定できる」とし、選挙妨害だとは考えていないとした。
この打ち上げでは、台湾全土に防空警報が発令された。住民らの携帯電話には、安全のために注意を呼びかけるメッセージが送られた。
台湾国防部はその後、携帯電話への警報の中で間違ってミサイルに言及したことについて謝罪した。
中国国営メディアはこの人工衛星について、「アインシュタイン・プローブ」と名付けられており、「謎の過渡現象の観測」のために使われると伝えた。
台湾の最大野党・中国国民党は、台湾全土で警報が出されたことについて、警報の「恣意(しい)的な」使用は恐怖をあおると批判した。
(英語記事 China tells US it will 'never compromise' on Taiwan)
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