BBC NEWS JAPAN より
新型iPhone、新たな充電端子を採用 アップルがEUに譲歩
クリス・ヴァランス、ゾーイ・クラインマン、テクノロジー担当チーム
米アップルの新型iPhoneが12日(日本時間13日)に発表される。充電ケーブルの接続端子が「USBタイプC」になることは、ほぼ間違いない。
iPhoneは現在、独自の接続端子「ライトニング」を使っている。
欧州連合(EU)は、消費者の費用負担と廃棄物を減らすためとして、携帯電話メーカーに2024年12月までに充電用の接続端子を共通化するよう、法律で義務付けている。
最新のiPadなど、アップルのほとんどの新製品はすでにUSBタイプCを採用している。だが同社は、EUのルールに反対していた。
ルールが発表された2021年9月には、アップルの担当者はBBCニュースに、「1種類のコネクターだけを義務付ける厳格な規制は、技術革新を促進するどころか阻害することになる。そして、欧州や世界中の消費者に悪影響を及ぼすことになる」と述べた。
接続端子をライトニングからUSBタイプCに変換するアダプターは、アマゾンなどの電子機器関連企業がすでに販売している。iPhoneは2017年発売のiPhone 8以降であれば、すべてワイヤレス充電に対応している。
現在のiPhone 14が、ライトニングを使用する最後のアップル製品になる見通し。ライトニング用のケーブルはアップルストアで19ポンド(日本では2480円)から販売されているが、姿を消すことになるかもしれない。
接続端子の変更が世界的なものなのかは不明。ただ、アップルが欧州市場だけに向けて、異なるタイプのiPhoneを製造する可能性は低い。
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アップルは、来週の秋の年次イベントで発表予定の新たなiPhone 15とiPhone 15 Proで、今回の変更を実施するとみられている。
米ブルームバーグによると、ユーザーにとっては、一つの充電器をiPad、Mac(ノートパソコン)、iPhoneに使えるようになるほか、ダウンロード速度が速くなるなどのメリットがあるという。
EUの共通充電器ルールは、以下のような「小型・中型の携帯電子機器」を対象としている。
- 携帯電話
- タブレット
- 電子書籍リーダー
- マウスとキーボード
- GPS(衛星利用測位システム)機器
- ヘッドホン、ヘッドセット、イヤホン
- デジタルカメラ
- 携帯ゲーム機
- ポータブルスピーカー
EUはケーブルを使って充電されるこれらの機器について、メーカーに関係なくUSBタイプCのポートの搭載を義務づけている。
ノートパソコンもこのルールに従う必要があるが、メーカーには仕様変更までに長めの移行期間が設けられている。
EUによると、これにより消費者全体で「不必要な充電器の購入にかかる費用を年間最大2億5000万ユーロ(約396億円)」節約でき、廃棄物を年間1万1000トン削減できるという。
(英語記事 New iPhone, new charger: Apple bends to EU rules)