癌患者における新型コロナウイルス感染症
ノーベル医学賞受賞「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」より
癌患者における新型コロナウイルス
Robilotti et al., Determinants of COVID-19 disease severity in patients with cancer. Nature Med. 6月24日オンライン版
https://www.nature.com/articles/s41591-020-0979-0
(内容)
メモリアル・スローン・ケッタリング癌センター(ニューヨーク)からの報告。
新型コロナウイルスで発症した癌患者423名の解析。40%は入院、20%は重度の呼吸器症状を発症(9%が人工呼吸器を装着)、12%が30日以内に死亡した。入院や重症化と相関する因子としては、高齢(65歳以上)と免疫チェックポイント阻害薬の使用が統計学的に有意であった。一方、化学療法や手術とは相関が認められなかった。
(コメント)
以前に発表された国際共同研究
https://www.thelancet.com/pdfs/journals/lancet/PIIS0140-6736(20)31187-9.pdf
やイギリスからの報告
https://www.thelancet.com/pdfs/journals/lancet/PIIS0140-6736(20)31173-9.pdf
においても、化学療法や手術は重症化と相関は無いとの結果であり、今回の報告と一致する。
一方で、今回の研究では、免疫チェックポイント阻害薬(オプジーボなど)が、重症化と相関あることが示された。免疫の暴走と関係しているのかもしれない。