網状星雲
これは東側にあるNGC6992-95。見かけの大きさ78′×8’。距離1600光年。西側の淡いものはNGC6960。
超新星の大爆発によって生じた衝撃波と飛び散った物質は,秒速数万kmというものすごいスピードで,まわりにあるチリとガスをかき集めながら,薄い殻をつくりつつ膨張していく。
そして,かき集めた物質のために,衝撃波はしだいにスピードを失って,温度も下がり,数万年たつと外側の殻は,大きくひろがってフィラメントに分解する。
はくちょう座にあるこの網状星雲がその好例で,およそ6万年前の超新星爆発の残骸と考えられている。
網状星雲を広視界でながめると,たくさんのフィラメントが重なって,全体としてひとつの大きなリング状になっていることがわかる。
これらのフィラメントは電離したガスが輝いているものだが,惑星状星雲のように中心の星によって輝かされているのではなく,爆発のとき生じた膨張の強いエネルギーによって電離しているものである。
100万年もたつと膨張の速度は落ち,水素原子を電離できなくなってしまうが,そのころの網状星雲は300光年ほどの大きさにひろがっていることだろう。