最初の結婚当初から、苦痛の連続だった。
こんなに耐えられたのは、伊知郎と紀理子が鎹だったように思う。
その鎹も私を嫌い、疎んじ、騙すようになってしまった。
そう、嫌な人間との結婚生活を見てきたのだから、子供達も苦痛だったに違いない。
そして、お粗末な人格になってしまった。
ソクラテスの妻、クサンチッペに最も近いと感じたから結婚をした。
確かに、クサンチッペのような期待通りの悪妻だった。
しかし、私が、ソクラテスになれなかった。
ソクラテスが偉大だと、つくづく感じた、闘病生活。
でも、離婚して、解放され、さっぱりした。
金品は奪い続け、傷口に焼けつく鉄で芥子を塗りたくる悪魔のような笑い顔から解き放たれて生活していると、病気が治ってきているのが感じられる。
22年間、こんなに永く嫌な思いに耐えてこられたのだから、きっと、これからは、病気を克服して、いい人生を歩めると思う。
いつか、幸せになって、笑って暮らせる日に向かって歩んでいる気がする。
マロンたちが、「父ちゃん、愛しているよ。」と、散歩をしながら、癒してくれている。
帰る時には、またきっと来てねと、黙って見送ってくれている。
その眼に応えようと思っているうちに、自殺願望が消えた。
私は、多くのすばらしい仲間と生きとし生ける物や神の愛に支えられている。ご先祖様も支えてくれている気がする。
復職して、充実した生活をしたい。
魂が、「生きよう。」と叫んでいる。
その魂の叫びに、体や心などが追随しそうだ。