今日はこの時期にしては珍しく雨が降っている

最近はずいぶんと冷え込んでいて

雪が降ることもあったんだけど

立春を過ぎてから少しずつ暖かくなってきているんだろうか

朝から雪ではなく雨が降っていた

 

本当はランティスと一緒に出かける予定だったんだけど

雨が降っているから雨が止むまで待とうってランティスが言った

土砂降りの雨ならさすがに無理だとは思うけれど

今日みたいな少しの雨なら私は全然気にしないって

そう伝えたんだけどね

そしたらランティスが

 

「それでも,ヒカルに風邪を引かれては困る。」

 

そう言ってくれた

心の中では『そんなこと気にしなくていいのに』という気持ちと

それでも『私のこと大事に思ってくれてるんだ』という気持ち

その両方がある

でもランティスの前では私は『女の子』になれる

普段の自分とは少しだけ違う

だから言うことを聞いて今はまだランティスの部屋で

雨が止むのを待っている

 

それに出かけると言っても

特にこれといった目的があるだけではないんだ

ただランティスと2人きりでどこかに行きたい

普段私が触れあうことのできないような自然や

動植物と戯れることができればそれでいいんだ

はしゃぐ私を見て

ランティスがそれを見て笑顔になってくれたらそれでいいんだ

 

 

雨が止むのを待ち始めてから1時間くらいたったのかな

まだ雨はしとしとと降り続けていた

それは自然現象だから

私たち人間がどうこうできるものではない

ランティスや私だったらもしかしたら魔法で

天候を操作することができるのかもしれないけれど

私はそれは好きじゃない

できるだけ自然の流れに身を任せていきたい

だから晴れていたら一緒に出かけようと思うし

雨だったらこうやって部屋で過ごしたい

 

今日はどうしても雨がやんでくれないみたいだから

だったら雨の日にしかできないことをやりたいと思う

でも特に何も用意してはいないから

こうなった場合にすることは大体決まっている

 

「ランティス,どうしよっか??」

 

そういうとランティスは私の方に歩いてきて

ソファに座っている私の隣にストンと座る

私はこの瞬間あやっぱり少しだけ緊張する

私の大好きな人が私の隣に座っていることもそうだけど

ランティスが私の隣にこうして座ったということは

これからランティスが何をするかを知っているからだ

 

私は少しだけ顔が赤くなっているかもしれない

ランティスも私の様子の変化にはすぐに気がつく

 

「ヒカル,まだ緊張するのか??」

 

私は何も言わずに首を1回だけ縦に振る

いつかは慣れるかもしれないけれど

私の場合はそういう免疫がないから

普通の人よりは時間がかかるかもしれない

それでもランティスには気長に待ってほしい

私もランティスもきっと待つのには慣れている

会えなくてもお互いをずっと想いつづけることができた二人だから

きっと大丈夫だ

そう思いながらランティスは私をギュッと抱きしめた