8月30日、日本共産党中央区議団は区長に緊急申し入れを行いました。

 

特に感染力の強いデルタ株で子どもの感染をめぐる状況も大きく変わってきており、学校の夏休み明けにあたり、学校での感染対策の強化が求められることから、緊急に要望をまとめたものです。

 

左から奥村区議・私(おぐり)・野末秘書室長

 

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中央区長 山本 泰人 様

2021年8月30日

新型コロナデルタ株による感染拡大に関する緊急申し入れ

                             

日本共産党中央区議会議員団

                                  小栗 智恵子

奥村 暁 子

                                                                    

 新型コロナウイルスの感染急拡大は、きわめて憂慮すべき事態となっています。感染の急激な拡大が、医療の逼迫、さらに医療崩壊を引き起こし、救える命が失われる事態が広がっています。

 東京都が公表した8月29日時点の中央区内の新規陽性者数は140名、8月25日時点の中央区内の感染者数は累計で5,001人(内退院等4,417人)となっています。中央区のPCR検査センターでの8月の実施結果では陽性率が30.9%(8月25日現在)と高くなっています。区職員の感染や保育園でのクラスターの発生、特別養護老人ホームでワクチン接種済の方が陽性になるなど、感染拡大が続いています。

 特にこれまでの新型コロナウイルスとレベルの違うデルタ株により、子どもの感染をめぐる状況も大きく変わっており、学校の夏休み明けにあたり、学校での感染対策の強化が求められます。

 この立場から、以下、緊急に申し入れるものです。

 

(1)症状におうじて必要な医療をすべての患者に提供するために

 

1.国に「原則自宅療養」の方針を公式に撤回し、症状におうじて必要な医療をすべての患者に提供することを大原則にすえることを強く求めること。

 

2.医療機能を強化した宿泊療養施設や、臨時の医療施設などを、大規模に増設・確保することを国に求めるとともに、区立施設や公有地の活用も含め、区内に確保できるよう都と連携して整備を急ぐこと。

 

 3.災害級の感染状況を踏まえ、災害時応急救護協定を結んでいる聖路加国際病院などと協力して病床を確保すること。

 

4.「軽症・中等症」に対応できる、区民のための「優先病床」を確保し、高流量の酸素を鼻から投与できる「ネーザルハイフロー」や「抗体カクテル療法」も行えるようにすること。

 

5.医師会と協力して、在宅患者への往診や訪問看護など在宅医療を支える体制を抜本的に強化すること。

 

6.消防と東京都、中央区保健所の間で、入院調整が効率よくできる仕組みをつくること。

 

(2)感染伝播の鎖を断つための検査を大規模に行うことについて

 

1.感染伝播の鎖を断つための検査を「いつでも、誰でも、何度でも」の立場で、従来の枠にとらわれず大胆かつ大規模に行うこと。とくに感染拡大が顕著になっている事業所、学校、保育園、学童クラブ等に対する大規模検査を実行すること。

 

2.学校や学童クラブで一人でも陽性者が判明した場合、濃厚接触者だけでなく、クラス全員がPCR等検査を受けられるようにすること。

 

3.児童生徒に週二回、迅速抗原検査をしているドイツのように、感染状況の深刻な地域で教職員・子どもに週二回、自宅で行える迅速検査を行うよう国に求めること。

 

4.国や都と連携したモニタリング検査を繁華街や事業所で実施すること。

 

5.大学と共同研究するなどし、人流の変化をモニタリングし、感染者数の予測に役立てること。

 

(3)デルタ株拡大のもとでの学びの保障のために

                                              

1.学校の状況に応じ、登校見合わせの選択・分散登校・オンライン授業などを柔軟に組み合わせて対応すること。分散登校は、保護者の減収や失職、医療従事者が出勤できなくなるなどのしわ寄せが起きないよう、必要な子どもが朝から学校で学べるような対応を徹底すること。

 

2.デルタ株は従来株の半分の時間で感染するといわれており、学校では、エアロゾル感染に特に注意すること。短時間で空気を入れ替える常時換気(4か所開けなど)を行い、教室で教職員も生徒もウレタンでなく不織布のマスクをつけること(つけることが困難な子どもは除く)。必要な子どもには不織布マスクを支給すること。

 

3.学童保育が三密とならないよう、放課後には学校の教室など、より広い場所を保障するなど柔軟な対応をとること。

 

4.臨時休校などをやむを得ず行う場合、例年通りの授業時間の確保を基本とした詰込みで子どもたちに多大なストレスがかかることのないよう、学習指導要領を弾力化し、限られた時間の中で、学習内容を精選してじっくり学び、子どもの成長に必要な行事も行えるようにすること。

                                       以上