1月19日に令和2年度第2回中央区都市計画審議会が行われました。

 

諮問事項は次の3項目です。

第2号  都市計画区域の整備、開発及び保全の方針の変更

第3号  都市再開発の方針の変更

第4号  東京都市計画都市再生特別地区の変更(大手町地区(D-1街区))

 

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諮問2号.都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(都市計画区域マスタープラン)について―質疑した内容の要旨を一部ご報告します。

 

資料1、P1

今回の変更点に(2)コロナ危機を踏まえた未来の東京の記述が加わりました。

重要な視点だと考えます。

 

新型コロナウイルス感染者の状況を見ると、(1月1日現在)

東京都は、人口比率11%ですが、感染者数26%、死亡者18%を占めています。

これまでの、巨大な再開発で、人、もの、金を都心部に集中させる「都市計画」で進められてきた過密都市東京はウイルス感染症に弱い都市構造になっているといえます。

 

Q コロナ危機を踏まえて、この過密都市のあり方を根本から見直すことが必要だと思うが、いかがか

 

A 都市に人が集まることを否定するものではない。新しい技術や多様な働き方の選択肢も考えられている。交流も必要。

 

〈都市づくりの目標〉

ゼロエミッション東京をめざす、「ESG」や「SDGs」の概念を取り入れた都市づくり

 

2020年3月発表の特別区の温室効果ガス排出量の資料によると

23区の排出量増加の主な要因「民生家庭部門の世帯数及び民生業務部門の延床面積が増加したことによるエネルギー消費の増加」ということが示されています。

 

Q 本当にゼロエミッションを目指すのであれば、温室効果ガスを増大させる床面積の増を抑えていくことが必要だと思うがどうか

 

A 機能の更新、省エネの新技術などによって、温室効果ガスの排出を抑えていくことが必要だと考える

 

内閣府調査2020年6月「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」で「家族の重要性をより意識するようになった」「仕事以外の重要性」「社会とのつながり重要性をより意識するようになった」と回答した人の割合が大きくなっています。

コロナ禍で地方への移住の関心高まり、報道によると

東京都からの「転出超過」続く。2020年5月、外国人を含めて集計を始めた2013年以降初めて「転出超過」、7月以降5カ月連続。「地方移住への関心」高まる。

オフィス需要にも変化。都心から地方へ。空室率の上昇。

→マンションもオフィスも開発需要がおちこみ傾向、破綻リスクが高まっています。

 

Q コロナ危機を教訓として、持続可能な都市づくりを本気で取り組むというのであれば「東京一極集中の是正」「床面積を増大させる巨大開発の抑制」など、これまでの都市計画の根本的な方向転換がどうしても必要だと考えるがいかがか

 

A 社会的なつながりの重要性が意識され、つながり、交流の中で都市が成立していく。抑制か成長かではなく、成長と環境を両方成立させていくよう、現場で検証したい。区では環境計画書をつくり、H14(2002)年から指導要綱でも省エネ対策を盛り込み、中央区の森事業の取り組みなど模索している

 

ずっと取り組んできたということだが、それでも中央区ではCO2が基準年度と比較して36.3%も増加している。巨大な再開発で床面積を増やすことを抑制していかないと削減はできない。

 

【採決】

気候変動問題でも、感染症のパンデミック(世界的流行)の問題でも、地球規模での環境破壊を止めることは、人類の生存にとって急務の課題。

「東京一極集中の是正」「床面積を増大させる巨大開発の抑制」などこれまでの方針の転換が求められる。

そうした視点が具体的に示されず、従来通り「国際競争力を高める」「成長と成熟の両立」めざすという「都市計画区域マスタープラン(の変更)」は問題だと考え、反対。

資料1、P2~4