8月28日、中央区都市計画審議会が行われました。

 

諮問された事項が10件もあり、いづれも、日本橋上空の首都高地下化に関連したものです。

 

●東京都市計画道路(幹線街路補助線街路第96号線)の変更=常盤橋交差点の改良

●東京都市計画道路(都市高速道路第4号線、都市高速道路第4号線分岐線、都市高速道路第6号線)の変更について=首都高を地下化する

●八重洲一丁目北地区の第一種市街地再開発事業

●日本橋室町一丁目地区の第一種市街地再開発事業

 

今回は、首都高地下化について、質疑内容を紹介します。

 

―審議会資料より―

P2拡大図

 

―はじめに―

日本橋上空を覆う首都高の撤去は悲願ですが、地下化には反対します。

中央区議会の記録では、1960年5月24日付で、区議会全会派の提案で、区議会議長名で東龍太郎都知事あてに「高速道路に関する意見書」が採択され、この中に、「名橋『日本橋』をまたぐことは絶対に反対する。橋下を通すこと」と強く要望。

しかし、オリンピックに間に合わせるため、日本橋側の上空に首都高が建設されました。

 

―経過―

1964年の東京五輪の負の遺産といわれてきた日本橋上空の首都高の撤去は悲願。

「日本橋に青空を」という首都高撤去求める署名も総計44万筆(2014年開始~2019年時)集まり、国に提出されました。

中央区としても「撤去」に向けた検討をすすめていました。

ところが、

2017年7月 国交大臣・都知事が「地下化に取り組む」と発表。

2018年7月 事業区間1.8km、地下構造1.2km 概算事業費3200億円 事業スキーム発表

 

それをふまえ、以下の事項について、区の見解を質しました。

(私のメモによる要旨です。正確ではないので悪しからず)

 

―質疑/応答―

①地下化のコースや形状はこれで決定か?(質問)

 A(答弁):決定

 

②地下化の工事には莫大な費用がかかる。事業費 3200億円=1mつくるのに1億8千万円かかる。難工事でさらに費用がかさむのではないか?

 A:3200億円では不足。なので周辺の再開発と一緒にやることで事業費を節減できる

 

③地下化は長期間の工事となる。最短で12年、20年以上かかるかも知れない。

完成するまで使用することになるが、すでに損傷が激しい道路構造物の安全性に問題あり。

 A:補強が必要だと2018年に説明あり、補強されると今のまま首都高が残ってしまう。補強でお金を使うなら地下化でと強力に要請した

 

④「都心環状線の機能を八重洲線に転換する」ことが計画されている。

ならば「撤去」しても環状線の機能は果たせるはず。

 A:八重洲線は使うが、出入口など検討課題あり

 

⑤都心に通過交通を入れないよう、首都高全体の見直しや交通体系の見直しで車社会からの脱却をはかるべき。

「外郭環状線が整備されても交通量が減るのは5%」なので中央区として「地下化やむなし」に方針転換したというが、「地下化」について、国民的な合意は得られていると考えているのか。

 A:区としても「撤去」案を持っていたが、環状機能は必要なので「地下化」を推進

 

おおむね以上の質疑をして、

 

―まとめ・態度表明―

日本橋上空の首都高は、地下化でなく「撤去」すべき。

撤去を想定した社会実験を提案したこともある。

道路ができれば車が流れてくる。道路を撤去して、なくなればそれに対応した車の流れができるのではないか。

莫大な予算と年月をかけて、地下化するより、神田橋~江戸橋の区間の首都高を「撤去」することを求め、諮問に対して、反対します。