愛媛県八幡浜市立日土小学校に行ってきました。

「美の巨人たち」という番組で、当時の八幡浜市職員の建築家・松村正恒氏の設計による校舎が保存再生され、「子どものユートピア」と紹介されて、大変興味を持ちました。

8月12日が今年の夏休みの公開見学日だということで、松山空港から松山駅~特急で50分、八幡浜駅から市の中心部を抜け、北へ6Kmほど入った山間部の集落、日土町の谷あいに建つ校舎を見学してきました。

 

日土小学校は、中校舎が1956年に、東校舎が1958年に完成。1999年には「DOCOM OM O Japan 20選」に選定されました。(No15)

建物の文化財的価値を大切にして、現役小学校として活用することが決まり、2007年から保存再生工事が行われて、2009年に完了。2012年には、戦後建てられた木造建築として初めて「重要文化財」に指定されました。

 

美しいモダニズム建築で、開放的な外観、川側にせり出したベランダや両面から光が入る教室、子どもたちや教師に配慮したきめ細かい工夫など、大変感心しました。

 

  

     中校舎                     昇降口

 

  

     中校舎普通教室               新西校舎普通教室

 

  

     中校舎廊下                  東校舎

 

  

     川に迫り出した図書室のベランダ     図書室から見たベランダ

 

  

     東校舎廊下から見た光庭         魚もいる溝がある光庭

 

  

     東校舎 相談室                東校舎 廊下

 

 

  

     校舎の南側を流れる喜木川        東校舎

 

 

老朽化に対して、壊して新しいものを建てるのでなく、文化的な価値も考えて、保存再生して活かしていくお手本だと思います。

 

DOCOMOM O Japan が近代建築150選に選んだ東京中央卸売市場築地市場(No35)の建物を壊してしまうのは愚の骨頂です。

 

昭和8年(建設風景) 巨大な要塞 築地市場

(展示写真より)