米空軍の特殊作戦機CV22オスプレイが2日、東京都、埼玉県内の市街地上空を飛行し、住宅地の真ん中にある米軍施設で離着陸訓練を行いました。

6月28、29の両日には、周辺自治体への事前通告なしに、神奈川県の米軍厚木基地と東京都の米軍横田基地で、初めての離着陸や飛行訓練を行っています。

 

(写真)横田基地上空で旋回飛行するCV22オスプレイ

=2日(羽村平和委員会提供)

 

米軍側からは何の情報も公開されない隠密訓練に、住民から不安の声、抗議の声が上がるのは当然です。

詳しくはしんぶん赤旗→http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-04/2018070404_01_1.html

 

 

私たち日本共産党区議団は、区議会第二回定例会に3件の意見書案を提出しました。

その内の1つが「CV22オスプレイの米軍横田基地への配備撤回を求める意見書(案)」。

定例会最終日6月29日、幹事長会で意見書案への賛否が表明され、「オスプレイの安全性は日米の協議で対応すべき」などとして自民・公明・区民クラブが反対し、意見書は見送りとなりました。

残念です。

 

日本共産党区議団提出の意見書(案)全文↓

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CV22オスプレイの米軍横田基地への配備撤回を求める意見書(案)

 

在日米軍は、2019年10月~2020年9月に配備を延期するとしていたスケジュールを変更し、米空軍の特殊作戦機CV22オスプレイ5機を今年の夏ごろに横田基地へ配備すると一方的に発表しました。さらに、今後数年間で段階的に計10機のCV22と約450人の人員を横田基地に配備するとしています。

配備に先立ち、前倒し配備を突然発表したわすか2日目(4月5日)には訓練のために横田基地に一時的な立ち寄りを行っています。

在日米軍は、CV22オスプレイは「運用面でも優れた安全性を持っている」としていますが、欠陥機オスプレイは、一昨年12月の沖縄県名護市沖の墜落事故の記憶も新しく、最近でも昨年八月にオーストラリアで3人が死亡した墜落事故、9月にはシリアで墜落し、機体が大破する事故を起こすなど重大事故が相次いでいます。米海兵隊のMV22オスプレイの10万飛行時間当たりの重大事故(クラスA事故)率は、昨年9月30日時点で3・27となり、米軍普天間基地配備前の公表値(2012年時点)の1・7倍に増え、海兵隊機全体の事故率も上回っています。特殊作戦機であるCV22 は、MV22と比べてもさらに過酷な訓練を行うため、危険はいっそう高まります。在日米軍機は、落下物事故や不時着などこの一年間頻繁に重大事故を発生させています。横田基地にCV22オスプレイが配備されれば、関東一円で危険な訓練が行われることになります。学校や保育園、福祉施設、病院や住宅が密集する首都・東京に配備することは、都民の命と安全・安心をいっそう脅かすものとして、絶対に許されません。

また、国は、横田基地への配備について「日米同盟の抑止力・対処力を向上させ、日本の防衛及びアジア太平洋地域の安定にも資する」としていますが、CV22オスプレイは、敵地深くで、ひそかに破壊工作や対テロ作戦などを展開する米軍の特殊作戦部隊を遠方から潜入・脱出させたり、補給を行ったりすることを任務にしています。海外の紛争地などへの介入・干渉作戦用の軍用機の配備は、「日本の防衛及びアジア太平洋地域の安定に資する」どころか、それに逆行しかねません。

よって、中央区議会は、東京都に対し、今回のCV22オスプレイの飛来・訓練、配備増強の計画について、都として横田基地周辺の5市1町をはじめ他自治体とも共同し、日本政府及び在日米軍に対して、撤回を求めるよう強く要請します。

右、地方自治法第99条の規定により、中央区議会の総意を持って意見書を提出します。

平成30年6月  日

                                  東京都中央区議会議長 礒 野  忠

東京都知事 あて