築地市場全景(2016/3/12おぐり撮影)

 

都議会臨時会での審議の中で、東京都が、築地市場を豊洲新市場(江東区)に移転させた跡地に海外VIP向けの高級ホテルやオフィスビル、国際会議場などを建設する構想をひそかに検討していたことが日本設計に調査委託した報告書で明らかになりました。

 

小池百合子知事が「築地ブランド」は守ると発言していましたが、都議会本会議では「築地の再開発」が強調されています。

もともと築地市場の「跡地」は、財界が「めったにない都心の一等地」として再開発することを狙っていたところです。

これまでも、跡地の開発の検討が秘かにすすめられて、イメージ図も描かれていたこと明らかになり、都民不在で移転を強引に進めてきたことに改めて怒りがわいてきます。

 

 

日本共産党の、あぜ上三和子都議が9月4日の都議会経済・港湾委員会で、情報開示請求で入手した調査報告書を示して追及しました。あぜ上氏が明らかにしたのは、日本設計が2014年3月に都に提出した「築地地区まちづくり調査検討業務委託報告書」。再開発のイメージ図も描いています。

2014年3月案

日本設計が東京都に提出した、築地市場移転後の

再開発調査検討報告書に掲載した完成予想イメージ(A案)

(しんぶん赤旗9/5より)

 

 

2014年というと、こんな構想も森記念財団で検討していたことを思い出します。

2014年2月18日案

2014年2月18日の中央区議会全員協議会で
記念財団理事長の伊藤滋氏が「たたかう東京」と題して紹介した
築地市場跡地の都市型IR(カジノを含む統合型リゾート)ビジョン
(協議会資料より)
 

 

 

昨年9月、東京都が大手不動産会社の森ビルに跡地利用の検討をひそかに委託していたことが、しんぶん赤旗の調査で明らかになりました。

都は調査委託した築地跡地処分にかかわる報告書を公表していませんが、2012年3月に森ビルに「築地市場移転後の用地開発に係る調査委託報告書」を提出させています。

森ビルの報告書は、築地市場跡地を、オフィス中心型、複合型、住宅中心型を柱に九つの案を提案。

具体的内容や、都が負担する基盤整備費の試算などは非開示で、黒塗りだらけでした。報告書は、すべてオフィスビル街にした場合、オフィス床の供給量は約90万平方メートルで、都心3区で16~20年の5年間に増える総床面積に匹敵すると試算しています。

2012年3月案

森ビルが都に提出した、築地市場移転後の用地開発に係る

調査委託報告書のコピー(しんぶん赤旗2016/9/1より)

 

 

 

中央区は2006年「築地市場移転断固反対」の旗を降ろし、万が一に備えるとして、2010年に東京都に対し、賑わい施設の要望を提出しています。

2010年10月27日案

中央区が株式会社日本設計に委託し作成した築地「跡地」の賑わい施設構想

(中央区2010/10/28資料より抜粋)