東京都議会棟

 

8日に、都議選後初めての都議会臨時会が行われました。

やっぱりというか、がっかりしたのは、最大会派となった都民ファーストと公明党が、焦眉の課題築地市場問題で特別委員会の設置に反対したこと。

議会での集中した審議が必要なのにそれを避け、一方で東京都は無害化の約束も守らず、環境アセスの変更などの手続きをどんどん進めようとしています。

 

石原都政以来、無理を通して道理を引っ込め、移転計画を強引に進めてきたからこそ18年たっても解決しない築地市場「移転」問題。

道理にかなった解決を図る議会の役割を、都民ファーストに期待するのは無理なのでしょうか。

 

 

日本共産党都議団 尾崎あや子(北多摩第一選出)都議の発言を紹介します。

市場移転問題特別委員会の設置への賛成討論

2017年8月8日

尾崎あや子

 

日本共産党都議団を代表し、市場移転問題特別委員会の設置に関する動議に賛成の立場から討論を行います。

 
築地市場の豊洲移転問題は、都議会議員選挙でも都民の関心が強く大争点となりました。

小池知事は市場を豊洲に移転し築地市場を再開発する基本方針を6月に発表し、7月21日には関係局長を集めた会議を開いて基本方針の推進を指示しましたが、その中で移転の前提とされてきた豊洲新市場予定地の土譲汚染を環境基準以下にする「無害化」を撤回する新方針を示したことは、築地市場関係者や都民への重大な約束の変更となります。

例えば、環境アセスはどうすすめるべきか、環状2号線の建設はどうするのか、東京オリンピック・パラリンピック大会輸送拠点工事について決まった経過も明らかではありません。このように市場移転と連動して進めようとしている事業についても、多くの疑問、解明すべき問題が山積しています。しっかりした審議のためには、さまざまな角度から関係する全ての部局に質疑ができる特別委員会が必要であり、その設置は、知事へのチェック機能を担う都議会の役割りを果たす上できわめて重要です。

 

小池知事は基本方針で、盛り土がない代わりの「追加対策」をおこなうことで豊洲新市場の「地上の安全」を確保するとしていますが、この追加対策は土譲汚染の専門家から「実効性がない」と厳しく批判されています。
8月中旬には、豊洲新市場の建物下に盛り土がなかったことに伴う、環境影響評価(アセスメント)の変更届が予定されています。議会での議論なしに進めるべき事がらではありません。
8月中にも市場プロジェクトチームとして「第2次報告書」をまとめるなど、市場問題をめぐる事態は今も動いています。特別委員会を設置してただちに議論することが求められています。

知事が提案している基本方針では、2010年3月の議会で付帯決議された「無害化」を放棄することになるといわなければなりません。これまで知事は「食の安全・安心の確保」と約束してきましたが、「無害化」ができない状況で食の安全・安心はどう守れるのか。多くの都民から「豊洲新市場への移転の前提は、無害化するということだった。無害化できないことを謝罪して済むことではない」との声も寄せられています。

 

一方で、知事は「築地は守る」「築地ブランドは守る」と言ってきましたが、どうやって築地ブランドを守るのか、具体的には何も示されていません。「築地ブランドは、築地市場でこそ守られる」と、市場関係者の方々は声を上げています。

 

日本共産党都議団は、石原元都知事が築地市場の移転を東京ガス豊洲工場跡地に決めた時から、土壌汚染があるところへの生鮮食品を扱う市場の移転に一貫して反対してきました。

少なくとも、豊洲新市場は「無害化して開場する」というのが市場関係者との約束です。「無害化」できないのであれば、豊洲新市場への移転はきっぱりと中止し、築地市場での再整備を検討し具体化すべきです。

 

市場移転問題の諸課題について調査・検討する特別委員会の設置を各会派のみなさんに呼びかけ、特別委員会設置に賛成の発言といたします。