6月15日に、日本共産党区議団を代表して、奥村あきこ議員が質問しました。

 

以下「共謀罪」についての質問内容を紹介します。

 

質問する奥村あきこ議員(6月15日)

 

はじめに、暴走する安倍政権についてお聞きします。

「共謀罪」の成立要件を改めて「テロ等準備罪」を創設する組織的犯罪処罰法が今日、参院本会議で採決され、自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決、成立しました。

同法は参院法務委員会で審議中にもかかわらず、その審議権を取り下げ、いきなり参院本会議で採決に持ち込む委員長の「中間報告」という異常な手段が取られ、強行採決されたことは、議会制民主主義を根底から破壊する暴挙です。

国民が解明を強く求める「加計学園」「森友学園」の疑惑は説明しようともせず、国民が「おかしい」と声を上げている「共謀罪」を押し通す安倍政権の民意を無視した強権・暴走政治に強く抗議します。

「共謀罪」は過去に3回廃案となっていますが、今回審議されている「共謀罪」法案も、定義は非常にあいまいで、法案の「計画」の定義も、「準備行為」が何を指すのかも、はっきりしません。

実際の犯罪行為がなくても、犯罪について相談・計画したと捜査当局がみなせば、処罰の対象にできるようにするもので、憲法19条が保障する、思想・内心の自由をふみにじる重大な違憲立法です。「共謀」を犯罪行為として取り締まるために、捜査当局による盗聴・盗撮、密告、スパイ行為などが横行し、物言えぬ監視社会を招く危険から、「現代の治安維持法」と言われています。

政府は「一般人は関係ない」と繰り返しますが、だれが一般人かを決めるのは捜査当局で、どうにでも拡大解釈が可能です。すでにいまでも環境保護などを訴える市民まで不当に調査・監視している警察が、「共謀罪」によって、さらに大きな捜査権限を手にすることで、「国民監視社会」への道が加速する危険があることは明らかです。

憲法9条改憲を鮮明にした安倍政権による「戦争をする国」づくりと深く結びついた「国民監視社会」づくりを認めるわけにはいきません。

国連の人権理事会が任命した、プライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏は、5月18日、「共謀罪」法案がプライバシー権や表現の自由の侵害になると、警告を発する書簡を安倍首相に出しました。しかし、菅義偉官房長官らは「不適切なもの」と反発するばかりで、真摯(しんし)に受け止めようしていません。仏紙「ル・モンド」(5月27日)が「驚くべき対応だ」と報じるなど、海外からも批判の声が上がっています。

国連の国際組織犯罪防止条約(TOC条約)締結に必要といって、「共謀罪」法案を推進しておきながら、国連の人権にたずさわる担当者から異論が出されると、それには一切耳を貸そうとせず、都合のいい時だけに国連を利用する安倍政権の態度は異常です。

「共謀罪」がないとTOC条約が締結できないと安倍政権は主張しますが、そもそも日本はすでにテロ防止のため13本の国際条約を結んでおり、殺人罪など57の主要な重大犯罪については、特別に未遂より前に処罰できる法律があります。「テロ対策のため」という口実は、完全に破たんしています。

6月13日現在、全国59の地方議会で「反対」や「慎重審議」を求める意見書が相次いで可決されています。日本弁護士連合会は3月31日、「共謀罪」法案に反対する意見書を提出しており、4月27日には田原総一郎氏、大谷昭宏氏など著名なメディア関係者32人も連名で反対声明を発表、6月5日には2万6000人の作家・ジャーナリストが参加する国際組織「国際ペン」も反対する声明を発表しました。

6月3、4日両日のJNN世論調査でも7割が「今国会成立にこだわる必要はない」と答えています。

国民の懸念にも国際社会からの警告にも真面目に答えず、人権にかかわる大問題について内外から続出している疑念を無視して、議席が多数のうちにと、法案採決を強行したことは絶対に許されません。

そこでお聞きします。

第一に、「共謀罪」法によって、一般の区民が処罰の対象となる危険性をどのようにお考えですか。

第二に、内心の自由を侵し、テロ対策にもならない「共謀罪」法は廃案にするしかないと思いますが、いかがですか。

それぞれお答えください。

 

区長の答弁要旨は以下の通りです

 

近年における犯罪の国際化や組織化の状況に鑑み、テロ等の重大犯罪から国民の生命と安全を守ることは、国の最も重要な責務であります。

組織犯罪処罰法の改正にあたっては、国会において審議か積み重ねられ、本日、参議院において可決成立されました。

しかしながら、一般人の定義や内心・表現の自由の侵害など、これまでの議論においても様々な見解が指摘されており、いまだ国民の十分な理解が得られているとは言えない状況にあります。

今後、具体的な運用にあたっては、国民の理解が得られるよう、国の責任において慎重に各種の準備・検討を行い、適切に対応されるものと認識しております。

 

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この問題についても、再質問していますが、議事録ができたらご紹介します。

しばらくすると動画が中央区議会HPに掲載されますので、そちらもご覧ください。