9月20日、区議会本会議で、日本共産党区議団を代表して、志村たかよし議員が質問しました。

 

本会議場で質問する志村たかよし議員

 

今回の焦点は、なんと言っても築地市場「移転」問題。

志村議員の市場問題の質問を紹介します。

 

 

質問重要局面を迎えた築地市場「移転」問題について―志村たかよし議員の質問①

 

8月31日、小池百合子都知事は、築地市場の豊洲への移転について、「安全性への懸念」「巨額かつ不透明な費用の増加」「情報公開の不足」の3つの疑問があるとして、移転延期を表明しました。

この延期発表は、移転の再検討を求める市場関係者、消費者団体、都民の大きな世論を受けたものであり、重要な判断ですが、その後の展開は、私が、昨年11月の築地の委員会で、「豊洲新市場計画が具体化すればするほど問題が噴出する」と指摘したとおり、移転中止をも考えざるを得ない重要局面に突入しました。

 

小池都知事があげた「3つの疑問点」について、都として徹底した検証と情報公開が求められますが、これらの点は、これまでも日本共産党が繰り返し指摘してきたものです。

そして、新たに都の調査によって建物内の空気が高濃度のベンゼンで汚染されていることがわかり、さらに9月7日の日本共産党都議団の調査で、水産棟と青果棟など主な建物の下では、盛り土が行われず、深さ4・5mもの空間となっていることが判明し大問題になっています。

水産棟の地下では「捨てコン」と言われる薄いコンクリートが敷設され、地下水とみられる水が1㎝以上たまっていて、建物内の空気が、特に高い濃度のベンゼンで汚染されていた青果棟の地下は、砂利がむき出しのうえ、10数㎝から20㎝の水がたまっていることが発覚しました。

小池都知事は、10日に緊急の記者会見を行い「すべてが入れ替えた上で盛り土されているというのは、現状では正しくないので訂正したい」「あらためて専門家の方々に判断してもらう」などと発言しました。「都民をだましたことにならないか」との質問にたいして小池都知事は「真摯に反省している」と述べました。

東京都は、これまでも市場関係者や都民に満足な情報を与えてきませんでしたが、今回判明した施設地下の空間が,専門家会議も技術会議も知らない中で決め、関係者や都民には、虚偽の説明をし続けていたことが明らかになりました。

移転を推進してきた市場関係者からも強い憤りの声が上がっています。

 

また、6千億円に膨れあがった整備費の疑惑とともに、落札率が100%近いという談合疑惑も浮上しており、東京都の信頼と「移転」計画を揺るがす大問題になっています。

 

中央区は、2012年2月に東京都と「築地のまちづくりに関する合意」を行いました。

内容は、「豊洲地区への移転整備を着実に行う」というもので、直後に開かれた第1回定例会での私の質問にたいし、区長は、「合意」の大前提は「市場予定地の土壌が完全に浄化されること」と答えています。

しかし、今回、東京都が中央区と区議会にたいしても虚偽の報告をしていたことが明らかになったのです。

 

そこで区長にお聞きします。

第1に、小池都知事が「移転延期」の理由としてあげた「安全性の懸念」「ふくれあがった経費」「情報公開の不足」について、どのような見解をお持ちですか。

第2に、都が土壌汚染対策について、虚偽の報告をしていたことは、「合意」の大前提である「安全性」と、都への信頼を崩すものだと思いますが、いかがですか。

第3に、豊洲新市場を巡る新たな動きが、中央区に及ぼす影響をどう考えますか。また、その影響に対してどのように対応しようと考えていますか。

第4に、東京都に対して、一定の調査結果が明らかになった時点で、都の幹部職員を全員協議会などの場に呼び、直接説明を受けるべきだと思いますが、いかがですか。

それぞれお答えください。

 

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矢田美英 中央区長の答弁(要旨) 追加しました。(9/23)

 

(1)先月の小池都知事が指摘した市場移転延期の3つの理由やその後明らかになった豊洲新市場の建物の地下空間に関しては、現在都において、安全性の検証や調査が進められていると認識している。

(2)食の安心・安全の確保は、当然のことながら市場移転の大前提。区としても、現在進められている都の調査結果を注目しているところ。

(3)移転延期等により、区民や区内事業者に混乱が生じないよう最大限努めていくことが区の責務であり、引き続きしっかり対応していく。

(4)今後都は、信頼回復に向け、十分な説明や正確な情報公開など真摯に対応していくべきものと考えており、都から説明を聞く機会を設けるかどうかについては、調査結果の内容等を見極めた上で、必要に応じて要請していきたい。

 

 

・・・まだ続きます。次ページをご覧ください。