10日、区議会企画総務委員会で、請願第二号「憲法に違反する『平和安全保障関連法』の廃止を求める意見書採択についての請願」について、審査が始まりました。


紹介議員を代表して、私が趣旨説明をおこないました。


以下発言内容を紹介します。


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この請願の趣旨は、「憲法に違反する『平和安全保障関連法(戦争法)』の廃止を求める「意見書」を採択し、政府・関係諸機関に提出してくださいというものです。


安倍内閣は、本年9月19日、各種世論調査でも国民多数が反対し、七割に上る国民が「今国会中には採択するべきではない」としていた「平和安全保障関連法案」(戦争法)を、国会での与党の多数を恃んで強行「採決」してしまいました。

 みなさんご承知のように、9月16日、中央区議会では、第三回定例会の初日に、中央区議会の総意をもって「安全保障関連法案の丁寧かつ具体的な議論を求める意見書」全会派一致で可決しました。

 この意見書では、「現在、参議院において平和安全法制の関連法案が審議されています。各種世論調査によりますと、その内容や重要性について国民の十分な理解はまだ得られていない状況です。憲法の平和主義、専守防衛を堅持し、国民が真に納得し安心できる安全保障政策を構築すべく突き詰めた議論を行うことは、国会の責務です。」と述べ、「よって、中央区議会は、国会及び政府に対し、安全保障関連法案に関して、慎重な審議をするとともに、国民の疑問や不安を真摯に受け止め、より一層の丁寧かつ具体的な議論を強く要請します。」という内容でした。そして、この意見書は、ただちに、参議院議長・内閣総理大臣・外務大臣・防衛大臣あてに提出しました。

 ところが、このような地方議会や国民の「反対」ないしは「慎重審議を行うべき」などの声が大きく広がっているにもかかわらず、政府・与党は、翌日の9月17日、参議院安保特別委員会のなかで採決を強行。その前日に開かれた「地方公聴会」の公述人の意見表明の報告を聞いて審議することもなく、当初の議事録には「聴取不能」と書かれているのみという状況だったのはご承知の通りです。ついで9月18日から参議院本会議を開催して、19日未明に本会議での「採決」を強行しました。

 中央区議会の総意も全く無視されたことになります。このような民主主義を踏みにじるやり方にも、私は憤りを禁じ得ません。


4カ月近い国会審議を通じ、この安保法制=戦争法案が、立憲主義を否定する憲法違反の法律だということが明らかとなり、国会で成立したからといって、憲法に違反しなくなるわけではないことは当然です。

この間、この法案については圧倒的多数の憲法学者や弁護士、元内閣法制局長官ら法律の専門家が憲法違反だと断じ、政府が「憲法の番人」だと言っていた最高裁判所の元長官の一人も「違憲」だと指摘しています。

「戦後七十年間、我が国は日本国憲法の下で平和国家として歩み続けてきました。専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にはならず、非核三原則を守るとの基本方針を堅持してきました。この根幹は一切変えるべきではありません。その前提に立って国民の生命と尊厳を守ることが政府の最も重要な責務であります。また、いかなる紛争も平和外交によって国際法に基づく解決を行うことが根本です。この理念に基づき、これまで我が国は、積極的な平和外交を展開しています。・・・」これは、中央区議会の意見書で述べられた内容です。歴代の自民党内閣のもとで「集団的自衛権の行使容認は憲法に違反する」としてきた憲法解釈を一内閣が勝手に変更し、「日本が直接攻撃されていないのに、他国の防衛のために自衛隊という軍隊を派遣する」ことは、憲法9条に違反するのは明らかではないでしょうか。


そして法案強行成立後の事態をみると、戦争法によって、日本の平和と国民の安全が危険にさらされる事態が現実味を帯びてきていることは重大です。

戦争法の最初の具体化として、アフリカの南スーダンのPKO(国連平和維持活動)に派兵されている自衛隊の任務の拡大が進められようとしています。

そしてパリでのテロ事件以降、フランスやアメリカからISへの空爆が強化されている中で、アメリカが日本に対し軍事支援を要求してくることも十分考えられます。現時点では、政府は、「政策判断としてやらない」としていますが、「この法律で可能になる」ということを認めています。

日本の自衛隊が、海外で「殺し、殺される」事態になる危険が差し迫っていると考えます。

戦争法を廃止して、日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻していくことがどうしても必要だと考えます。


この請願では、「平和憲法のもとで、戦後七十年余にわたって戦争をすることがなかった日本が『戦争をする国』に根本から変貌してしまいます。他国に居住し、あるいは海外でボランティア活動などに参加している日本人がテロリストの「攻撃の的」になるなどの危険も高まると思われます。

このようなことは、絶対に阻止しなければなりません。・・・つきましては、中央区議会でも、先に全会派一致で採択された「意見書」(本年九月十六日付け)の趣旨にもとづき、「平和安全保障関連法」(戦争法)の廃止を求める「意見書」を採択し、政府・関係諸機関に提出していただきたい」と請願しています。


委員のみなさんにおかれましては、ぜひ請願の趣旨をお酌み取りいただき、ご賛同いただけますようお願いしまして、紹介議員の趣旨説明とさせていただきます。



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イチョウ並木
浜町駅前のイチョウ並木=12/4撮影



趣旨説明のあと、質疑が行われ、請願は継続審査となりました。次回の審査は、年明け2月の予定です。