東京都が豊洲市場の開場を来年11月7日と決め、築地市場の引越しまで、1年をきりました。

先日、豊洲市場の内覧会が行なわれたそうですが、施設内部の工事もこれからで、関係者の不安も膨らむばかりです。

施設の使用料や、引越し費用、廃棄物の処理費用などについても、東京都と市場関係業者との調整がつかず、いずれ解体する築地の建物の「原状回復」を求められた業者は怒り心頭という報道もありました。


無理に無理を重ね、利用者や業者の声もねじ伏せるように、「オリンピックに間に合うよう環状2号線道路を通す」ことを最優先にして開場日を決定してしまったことが、いっそう矛盾を広げています。




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豊洲市場の建物=9月26日撮影



築地市場問題は、1999年に当時の石原都知事が「移転」を打ち出して以来、豊洲新市場予定地の土壌汚染問題もあって、揉めに揉め、遅れに遅れて、16年たっても未だに「移転」できず、総工費は6000億円に膨れ上がっています。

土壌汚染対策費も849億円にのぼり、汚染の原因をつくった東京ガスには、わずか9%しか「原因者負担」を求めていないことも、あらためて問題になっています。

↓しんぶん赤旗10/25付



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都民と関係者にきちんと説明責任を果たし、「1年後の開場」にこだわらずに移転計画を凍結し、「安全性の確保」と「関係者の合意」をはかることが先決ではないでしょうか。