先週、台湾華語の先生から、茶道具を持ってきてくれませんか、高級な台湾茶を飲みましょうという誘いがあった。
旅行用の茶具を持って行くと、ある受講生が、台湾でコンサルティング的なことをやっているらしく、そのお礼に茶を持ってくる富裕層が多いという。
その茶というのが、茶葉コンテストで一等賞をとった「比賽茶」なのである。600グラム200万円になることもある。
書き間違えではない。600g=¥2,000,000だから、5グラムで17,000円となる。
良質な茶葉は、5gで700mlは飲めるが、すると、だいたい、小さめの茶杯で、一杯が¥1,700となる。おそろしい。
台湾茶の世界は生き馬の目を抜くといわれ、奥深く、利権もからみ、わけがわからない。
賞を取るような茶葉はそもそも、マーケットに出ないので、日本人が買うことはできない。
日本人観光客が観光地で買っている阿里山高山茶、東方美人茶は、ヴェトナム、チャイナあたりの茶に台湾茶を少し混ぜたものだと茶葉店の主人に聞いた。
農薬まみれのニセモノだ。身体にも悪い。
ホンモノは、茶の生産地ですぐ香港、中国人、現地の有力者が全部買ってしまう。
台北にも来ないのだ。そもそも50gで100缶ぐらいしかない。
その人がお礼にもらったという茶も、地元有力者の妻や、億万長者の会社の社長がくれたという。
富裕層は、そういう茶を仕舞い込んでおいて、いざという時(?)こうして贈答品にするのではないか。
高級な葡萄酒に似たところがある。コンテストに入賞した途端に、値段が数倍になるというから。
そんな茶をまさかの日本で飲めるとは不思議なことである。
こうして、台日の上流階級を針の穴からのぞいたような気になっている。
庶民の私の想像もつかないところで、きっと想像もつかない酒池肉林が行われているのだろう。









