ナイモン経由だったと思う。
姓は「鄭」だった。
3日間の恋、ということで記憶も鮮やかと言うほどではないが、思い出すことが多い。
どういうわけか、最初の待ち合わせは、お風呂の王様だったのだが、いきなり握手された手がヌルヌルだ。
ローション?と一瞬思ったが、保湿液だという。真冬だから無理もない。
初日に全裸を見たのは後にも先にも彼1人である。
これが見たこともないような貧根で、萎えた。
しかし、以前書いたように、いきなり背中をタオルでプロ並みの腕前で洗われ、心を捕まれてしまった。
貧根を補うスキルの手練手管はすごいものだ。
対面で食事をしていると、足に足をそっと乗せてくる。
(こいつはかなりワルい青年だ)と警戒したが、魅力は悪魔的に大きかった。
しかし、神田駅でハグするだけのみ、何もせず香港へ帰っていった。
ずっと、執拗に、
Can I ***k your ***k?
と言ってくるので、ずっと笑いながら断っていた。飲む(swallow)のが好きだとか。
日本でカフェを開きたいと言っていたが、どうなったのだろうか。
ゲイにとっては当たり前のことだが、その後、まったく音信不通だ。
香港も「国家安全法」によって、危険になり、本土化してしまって、ゲイも生きづらいはずだろう。
パレードなど香港ではもう永遠にできないのだ。