学生の頃、なぜか忘れたが、地元の本屋で、ゲイ雑誌「アドン」を買ったことがある。
後にも先にも、その時一回だけだ。
何度も下調べをして、客のいない時間帯を狙うなど、かなり緊張していた。しかし、高校ではなく、大学生の頃だ。
肝心のレジのおじさんが、ゲイ雑誌を袋に入れる時、わたし以上に緊張し、顔に汗をかき、挙動不審になり、そのオーラがもわーっと伝わってきたのは今もって思い出深い。
その数年後、大学院のころ、東大正門前の汚い書店で、教授と思われる人が、やはり「アドン」(だと思う)を立ち読みしたあげくに買っているのを見た。
安心したというか、東大の教授にもゲイがいるんだ、と不思議な感じであった。当時は無知だった。どのジャンルにもゲイはいるに決まっている。