満面の笑顔になれない気がするのだ。彼は唯一、私がゲイである証拠を見られた人間である。
口でカミングアウトしても(咥えるという意味ではない)、それは「伝聞証拠」であって、本当はどうだかわからない。
しかし、彼には、うちに来たとき、iPad内の、変態画像および、変態チャット記録を読まれ、見られている。
別の画像を見せたとき、彼がほかのファイルまでフリップしたので、私に瑕疵はない。こいつがいけないのだ。
見たくなかったですよ、と言われて悲しかったが、彼はそのあと、何故だか分からないが、ソファーで爆睡してしまった。忘れたかったのかもしれない。
あの彼が結婚するのだ、と感無量、というわけではなく、ゲイの私をなぜ自分の結婚式に呼ぶのかという思い。
ゲイ作家の福島次郎も『華燭』で書いているが、私の恋心を諦めさせる意図もあるのか、と邪推してしまう。
ふつう、気を遣って、あるいは、縁起が悪いなどと考えて、同性愛者は呼ばないのではないか? そんなにしつこくしたことはなく、もちろん、君が好きだなどと言ったこともない。
まあ、好きな方には属するOBだったが、今や、6、7歳も年上の、子どもが欲しくて仕方がない女に毎晩、のしかかられている。嗚呼!