ザ・ホスト 1 寄生
ステファニー・メイヤーといえば大人気映画「トワイライト」の作者ですが、映画を見てしまったので小説はまだ未読状態で積読の山。
だから、これが初ステファニー作品です。ティーン向けの作品を書く人だし、という期待で恋愛チックな展開を予想しながらの読み始めはビックリでした。恋愛以前の問題で、まさか寄生虫が主人公だなんて……。
ワンダラーという名の寄生虫は「メラニー」という名の少女の体に寄生し、そこから彼女の心に触れいろいろと葛藤していくことになるのです。体はのっとられたけれど、意識は残っているメラニー。彼女が愛していたジャレドにワンダラーも惹かれていくものの、彼は寄生された「メラニー(ワンダラー)」を毛嫌いしている。
そこにも彼なりの葛藤があるのです。見た目はメラニーなのにその中身は全くの別物。殺さなければならないけれど、どうしても愛した少女を殺す事ができない。
最初こそ度肝を抜かれた設定ですが、ワンダラーが他の異様な寄生虫たちと違い、人間の心を持ち、メラニーの心に触れることにより、次第に人間らしくなっていっているのを感じ、むしろ幸せな結末を願ってやみません。