ポケットに地球儀 (探偵作家アマンと謎の密室魔) (創元推理文庫)

読者から集めた謎を探偵作家アマンがちょちょいと解くはずが、全く見当違いの答えや推理ばかりを導き出してしまい、あげくに依頼をしてきた人間がその謎と対峙している肝心の時に限って、本人たちは密室魔によって密室に閉じ込められているという……。

そして密室からようやく脱出すれば謎は全て解けちゃってますよ、という筋で連作短編が続きます。

作家アマンと編集者鹿堀の存在意義やいかに、ってとこなのですがこの緩い感じがまたおもしろいんです。
そして毎回の短編始まりで近況が語られる丁度飯太郎(ちょうどいいたろう)先生の書籍執筆の悪戦苦闘ぶりがおもしろくって。この先生だけで短編ができそうないいキャラ設定になってます。

なんか悪乗り感満載の妙なテンションさえ漂ってきて危ういんですが、憎めない人なんですよね。
この人も影の主役だなぁと思ってしまう。


持ち込まれる謎は、ベランダに砂が落ちてるだの、部屋のものがなくなるだの、日常の謎的なものなんですが全容が見えてくると結構重大だったりするんです。

依頼人が全員女なんですが、男よりも女が強し、ってところをまざまざと見せつけてくれましたね。


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