金雀枝荘の殺人 (中公文庫)
前に著者の「蛇神シリーズ」が好きで読んでたのですが、ここ最近読んだ「その日の朝に」が個人的に大HITで著者の作品をいろいろ読んでいこうと思っていたらばまた素敵な作品に出会えてしまった。こんな本格ミステリーを書いてたなんて。しかも私の好きな<密室・館>もの。
クリスマスを楽しく一緒に過ごすために集まった5人のいとこたちと管理人は密閉された館で順番に殺しあった。ナイフで突き刺され、絞殺され、撲殺され、毒殺され、喉をかっきられ…さまざまな方法で各々が死んでおり、その遺体の場所もどれひとつとして同じ場所になかった。
ベッドの中、ストーブの中…動かされた死体はまるでグリム童話の「狼と七ひきの小やぎ」のよう・・・。
ありえない状況と意味不明な現場状況により、それぞれがお互いを殺しあったという結論がでたわけです。だけれど警察のその見解に納得のいかなかった家族が事件を再検証してみようと再び館に集まりました。
過去の事件が再現されるかのような状況の中に突然飛び込んできた怪しげな男。この男が物語でいう<探偵>的役割を果たし、館で起こった6人の殺害事件を含め、それ以前に起こった管理人一家殺害事件、曾祖父の妻エリザベード失踪事件の全貌を暴きだすことになります。
綾辻行人氏の復刊シリーズということで表紙の時点でその名前を見てしまったからかもしれませんが、限りなく<綾辻行人>の館シリーズに近いものを感じた。物語背景も推理のプロセスもオチにいたる段階も全て私好み。
もともとは「時鐘館の殺人」として<鮎川哲也と13人の謎>に中篇として収録されていたものだそうです。
え?中篇? 私が読んだものは新書サイズでしたがものすごく読み応えがあった気がします。それぐらい内容もおもしろくハマりました。
★既読の【今邑 彩】作品感想★