さえずる舌 (光文社文庫)
容姿端麗で頭脳明晰、誰にでも好かれ仲良くなってしまえる天性の魅力を備えた女性・島岡芽衣に惹かれた主人公・友部真幌。彼女は芽衣を職場のスタッフとして雇いいれます。
芽衣の存在により全てが上向きに向かっていくはずだったのです。
けれども、それは最初だけ、彼女が密かに蒔いた種が徐々に芽吹いてきます。
少しづつの違和感がやがては、大きな不協和音となり、おそるべきモンスターの正体が現れるのです。
やっぱりすごいなと思えるこの人の作品。悪魔的な魅力を持つ女性の描き方が絶品です。
この作品での島岡芽衣は完璧です。何が怖いって、それが分からないんです。とにかく怖いんです。不気味なんです。
だけど、結局のところ何を目的としているか、どうして彼女の標的にされたのか、全く理解の範疇を超えるのです。真幌は芽衣の正体が見えてくると彼女のことを「モンスター」と表現しはじめるのですが、まさにその通りなのです。
頭では到底理解できない、恐るべき存在。すごいです。
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