怖い絵 (角川文庫)


怖い絵ですが、私にしたらおもしろい絵画でした。

見た感じ禍々しいな、と思う絵はともかくとして特に不吉な感じを受けない絵にも、それが書かれた背景を探っていくと実はちょっと怖かったりする。それを知ればしるほど怖い、と思うよりも探究心の方が勝っておもしろく感じました。 

私がこの本を読もうと思ったのは、表紙絵にもなっているジョルジュ・ド・ラトゥールの「いかさま師」の背景を知りたかったからです。

絵画には全く興味がないんですが、ラトゥールのこの絵だけは強烈に印象に残っていて一番好きな作品です。ビバ、モナリザ越え。

この絵の真ん中の女性の目つきが一番大好きです。

いかにも悪そうな、それでいて見てる方は思わずニヤリとさせられてしまう不思議な目力です。背景を知れば知るほどこの絵が好きになります。 


この絵の他にもたくさんの絵画が本の中では登場しますが、ダヴィッドの「マリー・アントワネット最後の肖像」には驚かされました。

煌びやかで美しく着飾ったイメージしかない彼女の最期の瞬間。

今から処刑される為に髪は短く切られ、みすぼらしい服でイスに座っている。

スケッチの為そのみすぼらしさと寒々しさが余計に伝わってくるようでした。


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