逃げ道 (新潮文庫)
――これほどまでに愚かしく、初心に、おだやかに、人生と、自分自身の人生と、自分自身のまがい物の人生と、折り合ってしまったこの場所から、この草々から、この野原から、全力で、逃げ去ること――
上流婦人のディアンヌ、裕福だが幸福な結婚生活を送っていないリュース、その愛人のブリューノ、男色家と思われている外務省職員ロイ。物語はこの4人の男女がパリを脱出するシーンから始まります。
道中で思わぬ災難にあい、助けに入ってくれた農家の家でご厄介になることになるのですが、そこで身分違いの奇妙な生活がはじまるのです。
当初は戸惑い嫌気がさし、相手を馬鹿にしていた4人組でしたが、少なくともそのうちの2人は徐々にそこでの生活に慣れ、親しみを覚えていきます。
親しみどころか愛情を持ってしまった人物もいるくらいです。
そこでは自分の地位や身分など関係ありません。
働かざるもの食うべからず!それに徹底して抗うのはブリューノ。その反面未知の体験だと喜んで農仕事に勤しむのはロイ。 けれど、その生活にも終わりがやってきます。
最後はちょっと物悲しいような気持ちになってきているのに、ラストの2Pのなんとも理不尽なあの結末。
これがサガンの魅力なんでしょうか。
結末のなんとも皮肉なこと!