孤独の賭け〈上〉 (幻冬舎文庫)


縫子だった乾百子は、若き実業家・千種梯二郎と出会い自分自身を担保に賭けをすることになる。

叔父への復讐心を胸に抱いている百子と、大きな野望を描いている千種。

どちらも貧乏でみじめな子供時代を送っており、そこから己の力で這い上がろうとする生き様は非常に似通った2人である。だから出会うべくして出会ったというのでしょう。

女として十分な魅力を持ち合わせているのに、あくまで女の武器を使いたくないという百子の心意気はとても男らしい。だからこそ、彼女はどんどん羽ばたいていけたのでしょうか。

松本清張の「黒革の手帳」の主人公はまさしく夜蝶というにふさわしい、夜の女というイメージが漂ってましたが、この百子に関してはたしかに夜のイメージが付きまとうものの、むしろ彼女自身が夜を操っているような気がしました。 


後半になってくると、だんだん怖くなります。

千種がめざす大きな夢、それは野望とも呼ぶことができ、それが大きければ大きいほどそこにつき纏うリスクも恐ろしいものです。 

最後に賭けはどちらが勝つことになったのか、ご興味のある方は読んで確かめてみてください。

なんだか空虚さの残る作品でした。 

前に長谷川京子×伊藤英明でドラマ化されましたね。見ればよかった。


人気ブログランキングへ