紙魚家崩壊 九つの謎 (講談社文庫)
「溶けていく」
「紙魚家崩壊」
「死と密室」
「白い朝」
「サイコロ、コロコロ」
「おにぎり、ぎりぎり」
「蝶」
「俺の席」
「新釈おとぎばなし」の9編収録。
久しぶりに読んだ北村作品。
円紫シリーズの印象が強いから、この短編集の色合いがすごく意外に感じてしまいました。
なんか北村さんが書かれた作品ではないような、どちらかというと穏やかな気分になる小説ではなく、シュールなんですよね。
冒頭に入っている「溶けていく」は、健康食品会社で働くOLが徐々に現実と虚構との合間に入り込んでしまい、その境目が知らぬ間に溶けていってしまうかのような、なんともいえない怖いお話でした。現実が溶けたのか、絵が溶けたのか、彼女が溶けたのか…。
コージーミステリーやほんわかミステリーを求めてこの作品を手に取るのはダメですね。
この本が発売されたのが2006年の3月で、わりと最近ですが、短編小説自体はもっと昔に書かれた作品もあるようです。90年に書かれたものも含めて1冊に纏まったみたいです。
★過去に読んだ【北村薫】作品感想★