【だっこのしゅくだい】
せんせいが
「きょうのしゅくだいは、だっこです。
おうちの人みんなにだっこしてもらってね」
といいました。
ぼくもみんなも
「ええーっ」とびっくりしました。
だって
だっこのしゅくだいなんて
はじめてだからです。
なんかはずかしいとおもいました。
でも、うれしかったです。
いそいでいえにかえりました。
いえにかえって、すぐ、おかあさんに
「だっこがしゅくだいにでたんよ。
しゅくだいじゃけえ、だっこして」
と小さいこえでいいました。
おかあさんは
「へえ、だっこのしゅくだいでたん?」
とびっくりしました。
でもすぐ「いいよ」と
にっこりしていってくれました。
おかあさんはすわって
ぼくをひざにのせて
りょう手できゅうっとだきしめてくれました。
おかあさんのからだはぬくかったです。
だっこしてもらっていたら
ぼくのからだもぬくくなりました。
ぼくが
「おうちの人みんなに
だっこしてもらわんといけん」
といったら
おかあさんがちっちゃいばあちゃんに
「だっこしてやって」
といってくれました。
ちっちゃいばあちゃんはわらって
「おいで」
といって、だっこしてくれました。
そして
「大きゅうなったねぇ」
といってくれました。
つぎは大きいばあちゃんに
だっこしてもらいました。
大きいばあちゃんはぼくをだっこして
「おもとうなったのう」
といってくれました。
さいごはおとうさんでした。
おとうさんはいきなりりょう手で
ぼくのからだをもちあげて
どうあげをしてくれました。
ぼくのからだは
くうちゅうにふわっとうかんで
きもちよかったです。
おとうさんはぼくをゆっくりおろして
ぎゅっとだきしめてくれました。
おとうさんのからだはぬくかったです。
ぼくはまた
してもらいたいとおもいました。
だっこのしゅくだいがでたから
かぞくみんなにだっこしてもらいました。
さいしょははずかしかったけど
きもちよかったです。
だっこのしゅくだい
またでたらいいなとおもいました。
泣けた~
抱っこの宿題があったら
もっと普通に
「抱っこして」
って言えるのにね
抱っこしてもらいたい
っていう気持ち
そんなのは
大きくなってもずーっとあるよね
だけど赤ちゃんでもあるまいし
もういい加減大きいんだし…
って常識の壁がど~んとあって
「抱っこして欲しい」
なんて言わない
でも
宿題だったら仕方ない
ちょっとめんどくさくても
照れくさくても一応ね
いいよって言ってくれるか
っていう不安もあるけどね
宿題だったら
やるもんね
だって仕方がない
〝抱っこ〟って
愛だよね
自分の全てを許されてるって
思える
ほんとこんな宿題は
すごくいい
もっともっと出したらいい
抱っこの宿題
引用元: 「孤独になる前に読んでおきたい10の物語」
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