弟のことをもう少し書いてみます。



弟は私の4歳下。

幼い頃から病弱で、

小児喘息を患っていました。

気がつけばいつも、

弟は病院に行っていた記憶があります。

そのぶん、母と過ごす時間も

多かったのかもしれません。


弟の性格は物静かで、

感情を大きく表に出すことが

あまりない子でした。

大声を出すこともなかったし、

思い切り笑っていた記憶も、

正直あまりない。

でも今になって思うのです。


きっと弟も

ずっといろんなことを

我慢していたんだろうって。



もしかしたら――私よりもずっと。



父が亡くなったあと、

相続をきっかけに母と関わらなければ

ならない状況が訪れました。

そこで初めて、

弟と深く話す機会がありました。

そのとき、私は知らなかったことを

次々に聞くことになります。



母が弟にも、私と同じように

金銭を求めていたこと。

それが絶縁する寸前まで

続いていたこと。

私が家を出てからご飯も与えて

もらえない時があったこと。

友達のお家で色々お世話になったこと。



どれほど長く、

どれほど苦しんだのか

母親との関係に弟も

悩んでいた、ということを知りました。



私はずっと

「弟はあの時普通に暮らしていた」

と思い込んでいた。

姉でありながら、

何も知らず、

何も気づこうとしなかった。

そのことが、本当に申し訳なくて、



「本当にごめんね」

弟に対して言えるのは、

その言葉しかありませんでした。



過ぎてしまった時間は戻ってきません。

だからこそ、

その重みを痛いほど感じています。

父親の死をきっかけにして起こる問題を

弟と結託し動き出すことになります。 


ここから先は、姉として

弟の気持ちにただただ寄り添っていく

決心した時でもあります。


弟もまた、孤独を感じて生きていたんだ。



母親に対して改めて怒りを

感じずにはいられませんでした。



弟は、20代前半で同級生と結婚し

家族5人幸せに暮らしています。

心の支えになってくれていた

義妹には感謝しかありません。

弟の今が幸せなのが救いとなっています。




次回は再び、

私が家を出た頃の話に戻ります。

自立したと思ったその先に、

私はまた「家」の影に

追われることになります。