前回の話






夜の咳は変わらず続き、数日後呼吸機能検査をしました。



そしてその結果を聞く為に別室に呼ばれました。




先生はパソコンで、娘の今までの呼吸機能検査の数値を表にして説明しました。





閉塞性細気管支炎は4つのパターンに分かれます。




1)急激に発病し、急速に呼吸不全が進行する場合



2)急激に発病し急速に進行するが、その後安定した状態で呼吸機能を保つ場合



3)ゆっくりと発病し、ゆっくり呼吸不全が進行して行く場合



4)ゆっくりと発病し、その後安定した状態で呼吸機能を保つ場合




「娘さんの場合、3番のゆっくり呼吸不全が進行していると思われます。」


先生はそう言ってパソコンを指差しました。



右肩下がりで進んでいる肺機能悪化の数値…




私は思わず聞いてしまいました。


「この数値がゼロに近づくのはあとどれくらいですか…?」



先生は困った顔をしながら

「…個人差があり何とも言えませんが…



後2年くらいです…」




… …








「肺移植は考えられた事はありますか?」

先生が聞きました。



答えに詰まりました…



「肺移植しかないのですよね…」



先生は

「そうですね…


肺移植しか治療法はありません…


娘さんの場合肺移植になると、お母さん、お父さんから肺の一部を移植する生体肺移植になると思います。


大きな手術になりますので、ご家族で一度話し合って下さい。


この病院では移植手術は出来ないので、移植を実施している大学病院にこちらから連絡できますので。」




「…分かりました。」




現実味を帯びてきた肺移植…




娘にまた痛い思い、辛い思いさせるのも



手術が成功するか分からないのも



怖い…怖い…




でも娘が生きる道は肺移植しかない…




不安で苦しい日々が始まりました…