前回の話







娘は腹痛や吐き気が治らず、ご飯が食べれなくなり水分補給の点滴が始まりました。




毎日塩素での清掃が入り、個室の中は強い匂いで充満します。



その匂いで毎回娘は嘔吐していました。



幸い、私には感染せず娘の症状もそれだけにおさまっていました。



娘は度重なる感染に、体力を奪われ元気がありませんでした。




一週間ほどすると下痢も治り、吐き気も無くなっていきました。


しかし、ノロウイルスの検査は中々陰性にはならず感染してから二週間、ようやく陰性になりました。




やっと大学病院に行ける。


娘の体調も良くなっていきました。






パパと会社の話





その後、パパは色々話し合った結果、会社を辞める事になりました。


20年近く働いた会社でした。

 



パパと、次就職する時は娘の病気の事を説明し、それでもいいと言ってくれる所にしよう。



難しいかも知れないけど、理解してもらえる会社が見つかるといいね。

と話しました。




パパは

「娘が大変な時に、心配事が増えてごめん…

なるべく早く就職が決まる様に頑張るよ。」

と言いました。



あの日、会社に電話してからずっと元気がなく、辛そうにしていた…



私は

「パパが精神的に辛くならない職場が見つかるといいね。」

と言いました。




そこから、貯金を崩しての生活が始まりました。


退職金…失業保険もある。何とかなるだろうと思っていました。









大学病院への転院の準備が終わり、娘と私は救急車で向かいます。




インフルエンザ感染からとても長い時間だった様に思いました。




酸素飽和度が上がってこない事は心配でしたが、急変しなかった事、命があって今こうして転院出来ている。




その事がとても有り難く思えて、救急車の中で娘に沢山話しかけていました。