部屋の隅で震えて立つ私に気付いて看護師さんが


「お母さんは、外で待ってた方がいいね。」

と病室の外に椅子を出してもらい、娘の処置が終わるのを待っていました。



脳裏に娘の痙攣した姿が焼き付いて離れません…


どうして…
怖い… 娘は大丈夫なのか…

久しぶりに大好きなラーメンを食べていただけなのに…





何分か経って外に先生が来ました。


「痙攣は止まりましたが、脳出血の可能性も捨て切れないので、今から頭のCTを撮らせて下さい。」



……       脳出血…



「はい…」



病室にストレッチャーが運ばれてきました。



「お母さん、娘さんが呼んでますよ」
看護師さんにそう言われて病室に入りました。



娘は、ストレッチャーの上で泣いていました。


まだ呂律の回らない言葉で何か話そうとしていました。



「ママ…


怖かった…怖かったよ…


目の前が真っ暗になって…意識はあるのに体動かなくなって…


私…死んじゃうと思った…」




私は娘の手を握りしめて


「怖かったね…

もう大丈夫だから…ママが側にいるから…

死なないからね…」

と言いました。



娘が

「死んじゃうと思った時…


最後に…ママの作ったポトフが食べたいって

思ったの…」




「そんなの、いくらでも作ってあげるよ…

退院したらいっぱい食べよう…」



娘が一生懸命に話す言葉にうん、うん、と頷きながら目から大粒の涙がボロボロと流れていました。



看護師さんが
「CTの準備が出来たので移動しますね。」


夜の誰もいない暗くなった病院…


CT室まで一緒に移動しました。









CT検査が終わりました。


病室で待っていて下さい。

と言われ病室に戻るとすぐに先生がきました。



「脳外科の先生と画像を見たのでですが、脳出血の可能性はありません。

ひとまず良かったです…」


良かった…
本当に良かった…


「また、今日みたいな痙攣が起こる可能性はありますか…?」
先生に聞きました。


「無いとは言えないです…」

「もう少し検査をしたいと思っています。」



何が原因なのか…

痙攣はこの先治るのか…



不安だらけの夜を過ごしました。