今後の治療スケジュールの説明の為、ご両親が揃う日にちを教えて下さい。
看護師さんに言われパパに連絡し、説明を受ける事になりました。
別室の中にはすでに主治医、看護師さんが待っていました。
先生が
「骨髄検査の結果ですが、骨髄の中に20%ぐらいの割合で白血病細胞がいました。」
「まだ初期の段階ですが、いずれ血液の中にも流れてくると思います。」
そして先生が
「ゲノム検査の結果は知っていますか?」
と聞きました。
え?ゲノム検査?
「いえ、聞いていません。」
初発の時に検査していたみたいですが聞いていませんでした。
「娘さんは染色体の転座、遺伝子異常があります。」
そう言うと、先生がプリントされた紙に数字や記号を書きました。
何番と何番の染色体が入れ替わり、くっついていると…
「この数字の染色体転座、遺伝子異常は、予後不良群に分類されます。」
「かなり厳しい治療になると思います。」
そう言うとスケジュールの紙を渡されました。
まず寛解導入法で悪い細胞をゼロにし、最終的に再度骨髄移植。
放射線は前回でギリギリの量を照射したので出来ない。
骨髄移植はハプロ移植(HLA半合致移植)
初発の移植の時、血液検査で両親が半合致なのでどちらかになる予定。
ハプロ移植は免疫反応(GVHD)が強く出やすい移植方法です。
この性質を逆手にとって、娘さんの体内に残った白血病細胞を、移植片由来のリンパ球の攻撃により除去する(強いGVL効果を得る目的)で行います。
と説明を受けました。
「GVHDはどこまで強く出るのですか?」
聞きました。
「それは、個人差があるので正直分からないです。」
「強く出たGVHDに対してそれぞれに対処するしかありません。」
怖いな…
移植しなければ分からないなんて…
「まずは、骨髄の中の白血病細胞が増えてくる前に、寛解導入を急いで始めたいと思います。」
「何か不安な事があれば何でも聞いて下さい。」
そう言われ
「分かりました。宜しくお願いします。」
とパパと言い退室しました。
頭の中を、遺伝子…染色体…予後不良…
悪い言葉がぐるぐると渦巻き、娘はこの先どうなるのか…?
予想も出来ない状況にパパと
「もう、治療の事は先生に任せるしかない。娘を二人で全力で支えて行こう。」
と話しました。
ここまで来たらやるしかないんだ。先の事を考えても仕方ない。娘は絶対大丈夫。
自分の気持ちが折れてしまわない様に必死になっていました。