何十時間経ったのか、何日経ったのかそんな時間感覚も分からない時を過ごしていました。


まるで死刑執行を待っているかのようでした。


「お父さんお母さんが揃う時間を教えて下さい。」

担当看護師さんに言われました。


心臓がドクンっと波打つのが分かりました。


時間になり別室に呼ばれて


すでに中には先生2名、看護師さんが待機していました。


「失礼します。」


静まり返った部屋の中に入りました。


まず今までの経由を先生が説明してくれました。そして




「骨髄検査の結果なのですが」


「娘さんは急性骨髄性白血病です。」


「白血病の中でも再発率が高く、抗がん剤だけでは抑え切れない為骨髄移植に向けた治療が必要になります。」




…  白血病…  再発率が高い…  骨髄移植 …




大丈夫…大丈夫…と自分にいい聞かせていた気持ちがプツっと無くなってしまいました。


我慢していた涙が滝のように流れ出し、嗚咽しながら泣いていました。


「…いや…いやだ…」

その後の事は記憶が曖昧になってしまい覚えていません…


看護師さんが子供をあやすように、優しく背中をトントンしてくれていました。


徐々に落ち着きを取り戻し


「ありがとうございました、宜しくお願いします…」

頭を深く下げ、退室しました。


パパが震える声で

「落ち着くまで家に帰ったほうがいいよ。俺がちゃんと付き添うから…」


と言ってくれてフラフラしながら車に乗りました。


暗い夜道、帰りは前が見えなくなるので何回も涙を拭きながら


どうして娘なのか…なんでこんな事になったの…

どうして…どうして…どうして…


すべてがモノクロの世界に変わりました。